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豪州、10年間の目標間近-ATE開幕、パース線など日本の存在感強く

  • 2019年4月10日

TA本局局長のジョン・オサリバン氏 オーストラリア政府観光局(TA)が4月8日から12日にかけて、「オーストラリア・ツーリズム・エクスチェンジ(ATE)2019」を開催中だ。今年で40回目となる同イベントは、世界各国でオーストラリアへの旅行を販売する旅行会社と現地サプライヤーが一堂に会する商談会。今年は全世界から約500社の600名超がバイヤーとして集まり、セラーは約550社が出展。日本からのバイヤーはトラベルビジョンなどメディアを除いて35社の40名がセラーとして参加した。

 開会の記者会見で発表したTA本局局長のジョン・オサリバン氏は、2010年に掲げた「2020年に観光消費額を1150億豪ドルへ拡大する(2009年は700億豪ドル)」目標について、2018年の実績が1140億豪ドルと1年前倒しでほぼ達成したことに加え、2020年には1300億豪ドルに到達する見込みと報告。また、宿泊施設の客室数も10年間で2万2000室が増加して2万室の目標を達成し、さらに客室数の増加率を需要の成長率が上回ったことも紹介した。

 オサリバン氏はそのうえで、2030年には観光消費額1800豪ドルを達成可能との新しい目標を表明。国別の目標値は未確定だが、オサリバン氏は日本市場について回復傾向に言及。特に需要拡大に直接作用する座席供給量については、中国や米国と並んで日本もオーストラリア全体の牽引役として指摘した。

 航空路線関連では、1995年に930万席であったところから2018年には2670万席となったことを紹介するとともに、今年9月に全日空(NH)が成田/パース線の運航を開始する計画であることも説明。成田/パース線は、カンタス航空(QF)が2011年5月に運航を取りやめて以来の運航となる。

 NHのパース便は往時のQFの週3便を大きく上回るデイリー運航だが、オサリバン氏は、当時と比べて日本へのインバウンド需要が拡大したほか、1便あたりの座席がQFより少なく、さらにNHのシドニー線と繋ぐ、あるいは隣接する南オーストラリア州とのコンビネーションなどにより新しい需要の獲得が可能になると期待。また、新路線の就航が呼び水となって、他社の新路線の開設や増便の意欲が刺激される可能性にも言及した。

 パース線の成功に向けては、西オーストラリア州政府や同州政府観光局(TWA)も力を入れているところ。TWA日本代表の吉澤英樹氏によると、TA、TWA、NHでの就航プロモーションや、TWAを軸とした3ヶ年の誘客を準備している。また同時に、従来から良好な関係を構築してきた第3国航空会社の利用促進も継続するという。