ドイツ、11月に壁崩壊30周年イベント、国内外から100万人目標
ドイツ観光局はこのほど、ベルリン観光局とともに、11月に開催されるベルリンの壁崩壊30周年記念イベントに関する発表会を開催した。アジア・オーストラリア地区統括局長の西山晃氏は冒頭の挨拶で、1989年の壁崩壊後、90年代に日本のテレビ局が主導して壁の跡地に1万本の桜を植えた活動により、ベルリンでも花見文化が定着していることを紹介。「日独の強い友情を再確認していただきたい」と呼びかけた。
発表会では30周年記念事業を企画・運営するベルリン市文化振興機構の総裁を務めるモーリッツ・ファン・デュールメン氏が、記念イベントを11月4日から10日まで、壁崩壊を象徴する7ヶ所にフォーカスして開催することを説明。例えばブランデンブルク門では、30年前の出来事などをプロジェクションマッピングで表現するという。デュールメン氏は「ただのお祭りではなく、歴史的・文化的な意味を実感していただきたい」と意気込みを述べた。
11月9日にはベルリンの各地で、ヒップホップ、テクノ、ロックなどのミュージシャンによるオールナイトの音楽イベントなども開催。期間中は合計で約700ものイベントが開催され、国内外から100万人以上の来場者を見込むという。
期間中の宿泊について心配する質問については「ベルリンのベッド数は約15万に上り、ニューヨークよりも多い。過去にも来場者100万人を超えるイベントを成功させており問題ない」とコメント。なお、ベルリン市文化振興機構は5年前の、壁崩壊25周年記念イベントも手がけている。
そのほかには、ベルリン観光局長のブルクハート・キーカー氏が、同局は現在「Technology(テクノロジー)」「Talent(才能)」「Tolerance(寛容性)」の3つの「T」をキーワードとしてブランディングを強化していることを説明。国内の他地域から、若者を中心に毎年4万人から5万人がベルリンに流入していること、年間のスタートアップの設立件数が約500社に上り、ロンドンをも上回ることなどを紹介し、ベルリンが「寛容さや創造性に富む都市」であることをアピールした。
そのほか、ベルリンはドイツの政治や科学の中心地であるだけでなく、観光地としてもヨーロッパを代表する都市であると主張。2017年の宿泊数はロンドン、パリに次ぎ3番目に多かったことを伝え、「(4番目の)ローマより多いことは自信につながる」と述べた。なお、18年の日本人宿泊者数については、前年比約10%増となったことを報告し「ドイツ全体では約4%増だったことに比べると、日本の伸びは大きかった」と謝意を示した。