日本の旅文化を創る会が19年度総会(1) 独自性の高い宿泊プラン開発

 6年前に旧朝日旅行協力会から改称した「日本の旅文化を創る会」(364会員、佐藤和志会長=秋田県乳頭温泉・鶴の湯)は3月13日、東京・新宿の京王プラザホテルで2019年度総会を開いた。役員改選では佐藤会長、佐藤好億名誉会長(福島県二岐温泉・大丸あすなろ荘)らを再任。19年度事業では、朝日旅行と協力した独自性の高い宿泊プランの開発や、るるぶトラベルとの連携強化によるウェブ販売の強化、働き方改革や人材確保をテーマにした研修に取り組んでいく。

 佐藤会長はあいさつで「訪日旅行者の視線は地方に向きつつあり、会の出番が来ていると期待しています。ゲストを地域の日常に巻き込むことで会の存在感を強めていくことが大事です。1人ではできないことも会全体で考え動いていきましょう」と呼びかけた。

 同会には、秘湯の宿の集まりである「日本秘湯を守る会」や、登録有形文化財に指定されている宿が中心の「日本文化遺産を守る会」「源泉湯宿の会」「日本の宿を守る会」があり、それぞれ独自の集客事業や、会を横断した研修に力を入れている。「旅人に寄りそう」「旅に情けを」「秘湯は人なり」など、朝日旅行の創設者である故岩木一二三さんが掲げた理念を、会として大切に継承しているのも特徴。

 このうち177施設が加盟する最大勢力の日本秘湯を守る会は19年度、10泊の利用で1泊無料招待の秘湯スタンプ帳事業の推進や、環境省の「チーム新・湯治」への参加を進める。

 佐藤名誉会長は「温泉枯渇につながる無秩序な地熱開発には引き続き反対していく。地元で地熱開発の情報があれば、本会もしくは日本温泉協会に知らせてほしい」と要請した。


情報提供:トラベルニュース社