GBT NTAがアローヘッドの事業移管-社員も雇用、早期のシナジーも
日本旅行・グローバルビジネストラベル(GBT NTA)は4月1日付けで、千代田化工建設のインハウス旅行会社であるアローヘッド・インターナショナル(アローヘッド)の事業を譲受する。アローヘッドが請け負ってきた千代田化工建設やその他の企業との取引についてGBT NTAが引き継ぐもので、具体的な業務はこれまでアローヘッドに所属してきた社員の大半がGBT NTAに転籍して引き続き担当する。
GBT NTA代表取締役社長の内山博生氏によると、業務渡航の世界で従来型の出張手配からいわゆるBTMへ向かう潮流が生まれるなかで、GBT NTA側から千代田化工建設に対して働きかけて実現した。千代田化工建設側にとっては「出張者が増えるなか、出張者向けサービスの高度化や出張管理レベルを向上することが目的」といい、GBT NTAとしてもこの目的達成にむけ「しっかりとサービスを提供していきたい」という。
4月1日以降は、GBT NTAの組織内に「アローヘッド事業本部」を設置し、アローヘッドの元社員が所属。法人としてのアローヘッドは一定期間に渡って残るが、原則として手配業務はアローヘッド事業本部へと移行し、法人側では発券済み航空券などの残務処理に注力。事業本部の指揮は、残務処理の進捗との兼ね合いもあるものの、アローヘッドで代表取締役社長を務めた西村信彦氏に委ねる可能性が高い。
新体制でのオフィスは、田町駅近くの旧本社営業所と横浜の千代田化工建設本社内にある営業所をいずれも残し、出張者から見た担当者やサービスレベルを従来の水準に維持する。ただし本社人員については、効率化の観点からも早い段階でGBT NTAとの同居をめざすという。
統合によって、千代田化工建設を含む取引先がGBT NTAの旅程管理アプリを即座に利用できるようになるなど早期のシナジー効果も見込めるほか、OBTも国内出張を含めた提案が可能となる。一方、両社が構築してきた危機管理システムについては併存していく。
また、顧客企業への営業については、GBT NTA事業戦略&開発本部本部長の滝田祥丈氏が「BTMは我々が押し付ける話ではない。一番はお客様がどのように出張を管理をされたいか」とコメント。そのうえで「おそらくアローヘッドのお客様それぞれが求めていらっしゃるサービスの形がある。まずは変化のない、切れ目のないサービスをご提供し、ご希望に応じてサービスや機能を提供できるようにコミュニケーションを続けていく」と語った。
このほか、今後のさらなるインハウス旅行会社の買収や事業移管、提携の可能性について内山氏は、「今日明日ということではない」と前置きしつつ、「競争が進むなかで大きな投資が必要になっていく。親会社が本業でない部分にどれほどの資本を投下するかは会社によるが、どこかで分岐点が来るはず」と予測。そのうえで「チャンスがあればパートナーを増やしていきたい」と意欲を語った。