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奈良公園にバスターミナル、4月オープン予定 渋滞緩和、観光拠点にも

 奈良県は1月31日、奈良市の県庁横に建設中の「奈良公園バスターミナル」について、旅行会社や県内の宿泊施設関係者を招いて説明会を開いた。施設概要や利用方法を説明し、従来との変更点やメリットなどについて理解を求めた。

 奈良公園バスターミナルは、公園周辺地域の交通渋滞の緩和を主目的に、2016年に着工。完成まで現在大詰めの段階に入っており、運用開始は4月13日を予定している。

 奈良公園への観光バスの乗り入れは従来、大仏殿前駐車場などを利用していたが、修学旅行をはじめ春秋の観光トップシーズンを中心に交通渋滞が常態化。観光周遊や住民への影響が問題になっていたことから、公園中心部手前で乗降を済ますことで渋滞を緩和、快適な奈良公園観光を実現させる。

 ターミナルには乗降バース12台、予備4台の計16バースを確保。観光バスは公園内には乗り入れず、降車後は高畑、上三橋の郊外の駐機場へ移動してもらうという運用方法をとる。地元警察と協議し、回送のルートを設定。スムーズな循環を促していく。

 また、ターミナルから東大寺まで徒歩15―20分かかるようになり、従来より観光客の負担が増えることを県は課題として認識。要介護者や高齢者などが乗車するバスについては大仏殿前駐車場への乗り入れを認めるなど柔軟な運用を検討している。

 利用予約はこれまで通りネット予約「奈良公園団体バス駐車場予約システム」で。受付は修学旅行が3月18日から、一般者が同25日から。

 ターミナルでは、バスターミナルのほかにも「ガイダンス施設」「おもてなし施設」としての役割も担う。奈良公園を中心とした観光情報、歴史の発信を展示や映像で紹介。300席を備えるレクチャーホールは観光映像の上映やイベントスペースとして活用する。飲食や土産店などの店舗も入居するほか、屋上からは春日山や高円山、大仏殿などの眺望が楽しめるなど多彩な魅力を備えた施設となる。

 説明会であいさつした県まちづくり推進局・観光局の志茂佳成次長は「ここが奈良公園のひとつの観光スポットになる」とその存在意義を強調。奈良公園の新しい観光拠点として生かしたいと抱負を語った。

 説明会では県奈良公園室の上平盛王室長が解説。参加者からは旅行会社、宿泊施設いずれもから徒歩移動の長距離化や高齢者・障害者対応、バス会社が混乱しないかなどの質問が相次ぎ、関係者への理解を深めることが当面の課題と感じさせた。

 県では運用方法や周知などについて現段階では検討中の事項が多く、運用開始までに細部まで詰めていくという。


情報提供:トラベルニュース社