日本郵船、郵船クルーズ株50%を船舶投資会社に譲渡

  • 2019年1月30日

 日本郵船はこのほど、連結子会社である郵船クルーズの株式の50%を船舶投資運営会社のアンカー・シップ・パートナーズ(ASP)に譲渡するとともに、共同で客船事業を運営することで基本合意した。譲渡価格は非開示で、2018年度中にASPまたは同社が運営する投資会社が出資する特別目的会社に譲渡する予定。これに伴い、日本郵船は2019年3月期の連結決算で、株式譲渡益約80億円を特別利益として計上する見通しで、郵船クルーズは連結子会社から持分法適用関連会社となる。

 郵船クルーズは1989年に設立した客船事業会社で、現在は「飛鳥II」で国内外のクルーズを実施している。日本郵船によれば、昨年3月に発表した22年度までの中期経営計画に基づき「ポートフォリオの最適化」「運賃安定型事業の積み上げ」「効率化と新たな価値創造」を基本戦略に、客船事業の今後のあり方を検討してきたところ。「飛鳥」ブランドのさらなる強化と成長の持続のため、今後も引き続き投資が必要との考えから、「ASPをパートナーとして客船事業を展開することがベスト」との結論に至ったという。

 一方のASPは、日本のクルーズ市場が今後も拡大する見通しのなか、郵船クルーズが飛鳥ブランドで培ってきた幅広い経験、高品質な「和のおもてなし」、高い安全意識などを評価。「これからも日本のクルーズマーケットを牽引していくものと確信」したことで、資本参加を決定したという。

 株式譲渡後は飛鳥ブランドを継続しながら、2社で客船事業への投資を実施。詳細は未定だが、ASPは飛鳥IIの大幅改装や、将来的な新造船建造の可能性を示している。