ジャルパック、19年度上期海外は反転攻勢へ-ハワイは各種対抗策

  • 2019年1月23日

江利川氏  ジャルパックは1月22日、メディア向けに2019年度上期の商品発表会見を開催した。冒頭で代表取締役社長の江利川宗光氏は、今年でブランド創設から55周年を迎えることについて述べた上で「昨年の日本人出国者は過去最高の1895万人に上り、55年前に比べて約150倍に成長した。一方で環境変化などにより我々の海外旅行事業はここ最近伸び悩んでいる」と説明。18年下期のパッケージツアー取扱人数はヨーロッパの好調などで前年同期比3%増の9万2000人となったものの「当初の目標よりは下回った。19年度上期は新たな価値を生み反転の年としたい」と強調した。日本航空(JL)がグアム線を減便するミクロネシア方面などで減少を見込むが、ハワイや米国、オセアニアなどを中心に需要を取り込み、3%増の10万人をめざす。

 19年度上期の海外旅行商品については昨年12月に一部の方面の商品を、今月17日に残る方面を発売したところ(関連記事)。全日空(NH)のA380型機導入などにより競争が激化する見込みのハワイについては、現地オプショナルツアーのラインナップを強化するとともに原価を抑制して、旅行代金の値下げや子供の半額割引サービスの再開で家族客の取り込みをはかる。日本航空(JL)と提携関係にあるハワイアン航空(HA)を利用する商品も拡充したという。

 江利川氏はそのほか「海外ダイナミックパッケージの取り扱いを強化し、OTAとの競合に打ち勝ちたい」と強調。また、4月には社内組織を一新し「より方面別の需要にマッチした商品の提供に努める」とも語った。

 国内旅行については、18年度下期が3%増の78万6000人となったことを伝えた上で、19年上期については「昨年の東京ディズニーランド35周年の反動などで、やや厳しくなる」と説明。予想を4%減の71万5000人とした。海外旅行と同様に55周年記念企画を多数用意し、例えばダイナミックパッケージ商品では午後出発便の利用者に空港で利用できる2000円分のクーポンを提供する「午後(55)得」を設ける。今後の国内旅行強化策については「仕入力を強化し、販売システムへの投資も強化したい」と述べ、そのほか札幌と沖縄に持つ営業拠点の機能強化についても言及した。

 訪日旅行については「ダイナミックパッケージを新たな収益の柱に育てたい」と強調。同社は17年にタイで、昨年にはオーストラリアで訪日ダイナミックパッケージ商品の販売を開始し、今週にはシンガポールでも発売する。江利川氏は「まだまだ取り扱いは少ないが、今後は国内向けの在庫を訪日にも提供する。海外の旅行会社とのパートナーシップも強化していきたい」と述べ、20年にはJLの全就航地を対象に商品を提供したい考えを示した。