新法施行後の「民泊」 全旅連・百戦錬磨対談後編(1) 地方観光開国のチャンス
民泊新法(住宅宿泊事業法)施行後の民泊の状況について話していただいた、百戦錬磨の上山康博社長と全旅連住宅宿泊事業法対策委員長の桑田雅之さんの対談第2弾。2人の話はインバウンドを地方に誘致する方策についても及んだ。
上山 世界で海外旅行する人の半分が欧米豪の人たちです。にもかかわらず日本には10%未満しか来ていないので、日本は本気になって欧米豪の人たちを誘致しようとしています。
欧米豪の人たちは都会だけでなく田舎にも行きます。遠いところから来るため必然的に長期滞在になるので、地域の文化や人との交流を味わってもらって、リピートするというような流れを地方はつくるべきです。
今が本当に地方の観光開国のチャンス。都心部は開国しましたが、地方は開国されているところはあるものの、いまだにまだ開かれていない地域も多い。このタイミングを活かして、ぜひ一緒にインバウンドを活用した地域活性化について考えられればと思います。
今の旅館ホテルの方々の中でも長期滞在に適したサービスが十分ではないと悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。民泊・農泊を活用するため、きちんと届け出をして旅館ホテルの方々が住宅宿泊事業管理業者になれば、地域の空き家問題の解決にもつながります。朽ちていきつつある別荘やペンションは活用できると思います。沖縄のシャッター商店街で宿泊できるシャッターホテルという切り口で提案したら、結構人が来るようになり、店も増えてきたという例もあります。
旅館ホテルで接客やフロントの求人を募集しても集まりにくいと聞いています。ところが海外の人との交流とか、地域の何々のお手伝いといった募集内容に変えた瞬間に100人ぐらい集まります。何カ国語はペラペラでMBAを取っていたりする外国人が応募してきます。そういう人は日本人より日本が好きで、日本人より日本の魅力をわかっています。ましてや日本に来て日本に住んで働いている外国人は特別な思いを日本に持っている人です。こういう人はものすごいエネルギーを持っていて、日本の観光のインバウンドを支える人たちだと思います。
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情報提供:トラベルニュース社