セーバーがフェアロジックス買収、「NDC」競争にも影響か
セーバー・コーポレーションは11月14日(現地時間)、航空券流通に関するテクノロジーを軸として事業を展開するフェアロジックス(Farelogix)の買収について合意したと発表した。買収額は約3億6000万米ドルで、買収の手続きは規制当局の承認などを経て年内か年明けに完了する見通し。
フェアロジックスは、航空会社向けに航空券販売についての効率化や他社との差別化、顧客に合わせた個別化などをGDSに依存せずに可能とするソリューションを販売。過去にはGDSの対抗軸として「GNE(GDS New Entrants)」と呼称され、GDSとの間で激しく衝突したこともあったという。
一方現在では、国際航空運送協会(IATA)のNDC(New Distribution Capability)については最初期から参画しているキープレーヤーとしても存在感を発揮。ルフトハンザグループなどが利用するWEBベースのプラットフォーム「SPRK (スパーク)」の開発をはじめ多くの航空会社にソリューションを提供しているほか、トラベルポートとも協業するなど中核的な役割を担っており、今回の買収による影響が注目される。
なお、セーバーは発表資料のなかで、「今回の買収は、セーバーが旅行産業の中心において真っ先に選ばれるプラットフォームとなるための広範な努力における一歩」であると説明。セーバー社長兼CEOのショーン・ミンキ氏も「セーバーが持つ優れた航空会社向けテクノロジープラットフォームにフェアロジックスの力を取り込むことで、航空会社が必要とする創造的かつ包括的なソリューションを提供できるようになる」とコメントしている。