JATM、ロシア旅行セミナー開催-タイヘイグループ入りもアピール
ロシアなどへの旅行・航空関連業務を広く取り扱うIAJグループのジャパン・エア・トラベル・マーケティング(JATM)はこのほど、露系航空会社などの協力のもと旅行会社向けの「ロシア旅行セミナー」を開催した。最新情報の提供のために毎年実施しているもので、冒頭で挨拶したIAJグループ代表でJATM代表取締役社長の羽田ダッシュ氏は、近年の日露交流の活発化に加えて、今年はサッカーのワールドカップがロシアで開催されたことから、訪露日本人旅行者の数が順調に伸びたことを説明。「今年は取扱人数が初めて1万人を超え、発券した航空券も2万3000冊に上った。売上高は20億円を超えた」と伝えた。日露の観光当局は18年の交流人口の目標として22万人を、19年については25万人を掲げている。
羽田氏はあわせて、このほどIAJグループの全4社が、食品関連事業などを展開するタイヘイグループの傘下に入ったことを報告した。タイヘイグループは傘下にタビックスジャパンや東日観光など4つの旅行会社を有し、今年1月には4社を統括する持株会社としてT-LIFEホールディングスを設立して旅行事業を強化しているところ。羽田氏は「IAJグループの4社はいずれも業績を伸ばし、T-LIFEホールディングスに認めていただいた。大会社の支援を受けて、今後も高品質で安心・安全なサービスを提供したい」と意欲を示した。
その後はアエロフロート・ロシア航空(SU)、S7航空(S7)、オーロラ航空(HZ)、12月に初の日本就航を果たす予定のウラル航空(U6)の4社がプレゼンテーションを実施。このうちSUは、現在はA330-300型機を使用している成田/モスクワ線について、来年4月には同社では唯一プレミアムエコノミークラスを搭載しているB777-300ER型を導入することを説明した。座席数はビジネスクラス30席、プレエコ48席、エコノミークラス324席の計402席。S7は今年に入り成田/イルクーツク、ノヴォシビルスク線を新たに開設したことをアピールした。
HZは日本からの就航地であるウラジオストクとユジノサハリンスクについて、昨夏からロシア政府が観光客に無料の電子ビザを発給し、訪問のハードルが大きく下がったことを説明。U6は12月21日から週3便の新千歳/ウラジオストク線を運航することを紹介した。使用機材はビジネス12席、エコノミー144席のA320型機を予定しており、当面の利用者は中国とロシアからの観光客が中心となる見込み。ちなみにU6はBSPジャパンに加入しており、GDSについては契約中のアマデウスとセーバーに加えて、今後はトラベルポートなどとも契約するという。
なお、11月5日から、週2便の成田/ユジノサハリンスク線を含む国際線の運航を停止しているヤクーツク航空(R3)は、予定していたプレゼンテーションを取りやめた。同社については10月にヤクーツク空港で起こしたオーバーラン事故後に安全に関する違反が見つかっており、再開の時期は未定。なお、IAJグループによれば、日本からの唯一のサハリン路線である同路線については、3月末までは代わりにHZが定期チャーター便を運航する予定で、影響は小規模にとどまっているという。使用機材はエコノミークラス69席のDHC8-Q400型機。
その後はJATMのスタッフが、冬のバイカル湖や、ピークの7月を避けてのカムチャッカ半島訪問などを提案。そのほかにもサハリン、ウラジオストク、ハバロフスクなど、極東やシベリア地域の観光資源について紹介し、モスクワやサンクトペテルブルクなどについてはインスタグラマーによるファムツアーの様子を伝えた。