加ケベック州、モントリオール線就航で日本市場に注力、日本に窓口も

  • 2018年10月24日

(左から)ラクラーク氏、ガオ氏   カナダ・ケベック州観光局の国際セールスディレクターのアレクサンドラ・ラクラーク氏とアジアマーケット・シニアマネージャーのリン・ガオ氏がこのほど来日し、業界誌の取材に応じた。ケベック州では、エア・カナダ(AC)が6月2日に成田/モントリオール線を就航したことで、日本人旅行者数が増加しているところ。ラクラーク氏はモントリオール線の就航により、18年の1月から7月まで、同州を空路で訪問した日本人訪問者数が前年の3000人から7000人まで大幅に増加したことを説明。「東部カナダはトロントやオンタリオ州がよく知られているが、モントリオール線の就航を機に、もっとケベックに日本人を招きたい」と意欲を示した。

 日本市場でのターゲットとしては、55歳以上のシニア層と、新しくユニークな体験を求める30代前後のミレニアル層を設定。文化や歴史、都市の近くに広がる自然の魅力をアピールしていく方針だ。

 同局では14の体験を主にアピールしているが、特に日本向けには「アウトドアアドベンチャー」「ローカルグルメ」「活気あふれる都市」「生活文化と歴史」「身近な大自然」の5つの体験を中心に訴求する。ガオ氏は例として、スキー、ハイキング、カヤッキング、小型飛行機での遊覧、マドレーヌ島でのアザラシの赤ちゃんの見学、モントリオールで年間を通して開催される約300のフェスティバルなどを紹介した。

 旅行会社に対しては、カナダの現地オペレーターや、同局が「キーエージェント」と位置づける8社の旅行会社との協力を強化。今年から参加している「チームカナダ」のネットワークを活用し、プロモーションを強化する。

 このほか、ガオ氏は日本市場のピークが秋の紅葉であることに触れ、今後は通年を通しての誘客を強化する方針を説明。「まずは冬のアクティビティをアピールしたい」と話し、2月にプレスツアーを実施するほか、旅行会社向けのファムツアーを実施することを明かした。

 なお、ケベック州観光局は13年11月末に日本事務所を閉鎖しているが、今後は以前同局のGSAを務めており、ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)観光局やアルバータ州観光公社などのGSAを務めるワールドコミュニケーションシステム(WCS)が日本での窓口として対応する予定。日本事務所の再開については「来年の予算次第」とした。