インタビュー:18年ツアコン大賞、ルックJTB添乗員の村尾さん
添乗力とは「人に寄り添う力」
富裕層ツアーから学生旅行まで、「3ツ星」めざす添乗人生
-村尾さんにとって添乗業務の魅力とは何ですか
村尾 毎回違うというところでしょうね。同じ場所に行っても、全く違うツアーになる。やはり、旅は人なんですね。特に「夢の休日」は高額なツアーなので添乗員の役割はやはり大きいと思います。
添乗員付きのパッケージツアーは減っていますが、ターゲットがはっきりしているものや、添乗員付きの個人旅行など特別感のあるものは需要がある気がします。たとえば、飛鳥IIの世界一周クルーズのお客様で、クルーズの途中に18日間、イタリアからスペイン、米国を旅行し、ニューヨークで再度飛鳥IIに乗船するケースがあり、そのランド部分の添乗を担当したこともあります。
-パッケージツアーの改善点を含めて、旅行会社に望むことはありますか
村尾 昔はツアーの造成と販売が一緒だったので、お客様の声が造成側に直に見えるものがありました。それぞれに専門化されると、遮断されているような気がします。
ただ、JTBの組織改編のなかで、製販一体に取り組むようなので期待感はあります。造成や販売については、似たようなターゲットは一本化したほうがいいのではないでしょうか。
パッケージの需要は減少していますが、コアのものを造れば残ると思います。たとえば、イタリアのチンクエテッレは海からの景観が美しいですが、ルックJTBは電車を利用するツアーでした。そこで、私が添乗したツアーでは、参加者17人に船での移動を提案しました。電車の利用を権利放棄して船賃10ユーロ払っていただくことに、全員の同意を得て実施しましたが、皆さんに喜んでいただきました。そのときは添乗員冥利に尽きましたね。
-最後に、今後の抱負をお聞かせください
村尾 フードツーリズムマイスターやソムリエの資格を持っていますが、それを海外旅行だけでなくインバウンドで活かせるのではないかと思っています。現在、海外添乗の合間に訪日客向けの「サンライズツアー」で送迎のお手伝いをさせていただいていますが、地方の地産地消のレストランなども訪日客に提案できる機会があればと考えています。
-ありがとうございました