UAが「EXPO」初開催、グアムのさらなる回復へ、ネットで新施策
▽旅行動向からプロモーション時期を提案、若者の鍵は「二極化」「親」「Instagram」
セミナーではトリップアドバイザーでシニアセールスマネージャー・ディスプレイセールスを務める柳井亮氏が登壇し、同社サイトのデータを踏まえた旅行者の購買行動について発表。旅行計画は76%が4週間以上をかけており、同社サイトでは予約の4、5ヶ月前から閲覧が始まっていると説明し、プロモーションは3ヶ月前から半年前が適切であると提案した。
さらに米国旅行に関しては、日本人が閲覧する上位の都市や観光地が、ハワイやニューヨークなど定番に偏っていることを指摘。その要因として情報発信や現地観光での言語の壁をあげつつも、「まだ知られていない米国のプロモーションチャンスがある」と語った。
また、博報堂ブランドデザイン若者研究所に勤める、マーケティングアナリストの原田曜平氏は、若者の価値観と旅行に対する意識を解説。若者を理解するにはまず、彼らがバブル以降に日本経済の停滞が続いた“失われた20年”で成長したことを認識する必要があると指摘し、思春期をデフレ化で過ごした世代は豊かになってもそのマインドが抜けないという米国の調査結果も言い添えた。
さらに、スマートフォンの普及で自室にいながら広いネットワークと繋がりを持てるようになった結果、それを維持するための過剰な気遣いと、“炎上”や“LINE八分”などの拘束力や監視によって人間不信に陥ることを説明。インターネットの情報なのに既視感によって視野や行動範囲が狭くなっていることも指摘した。
ただし、人手不足と言われる日本では、長期的な不安はありつつも、「目先の食いぶちに不安はない」というユニークな感覚があるとも指摘。原田氏は「まずは安心させることが大切」と述べ、これは旅行でも同様とし、その意味でHISの「旅行代金出世払いの卒業旅行」などは有効だとの考えを示した。
若者にリーチするキーワードとしては、「二極化」「親」「Instagram」を挙げた。特に二極化については、「全員へのマーケティングは無駄。行く人に絞るべき」と断言。親については親子の仲の良いことから一緒の消費が生まれていると説明し、特に高額商品の購入では、購入するのは若者でも決定権は母親が握っているなど、母親の影響力の強さを強調した。