山形・上山温泉の材木栄屋旅館が破産申請、負債2.6億円
東京商工リサーチ(TSR)によると、山形県上山市の材木栄屋旅館は9月14日、山形地方裁判所に破産を申請した。負債総額は約2億6000万円。
1921年に創業した老舗の温泉旅館で、創業当初は「栄屋」として営業していたが、当時の本業は材木業だったため「材木栄屋」として親しまれていた。その後は1956年に会社を設立し、2008年に大規模リフォームを実施してからは「木の香の宿 材木栄屋旅館」として営業していた。
ピークの1993年6月期には売上高約2億5200万円を計上したが、以降はバブル崩壊や同業他社との競合激化などにより減収で推移。09年6月期には売上高が1億円を下回るとともに、過去の赤字計上により債務超過に陥った。
その後は、上山温泉開湯555周年記念イベントや、JR東日本のデスティネーションキャンペーンなどの追い風を受けて、業績復調に努めたものの、17年6月期には赤字を計上。過去の設備投資に要した借入金返済も負担となり、資金繰りが逼迫するなか、代表者の体調不良も重なり、今年8月31日には事業を停止していた。