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週間ランキング、1位はクラツーのテレビ番組、2位は華麗なる転身

[総評] 今週は、10月1日からテレビ東京でテレビ番組「旅スルおつかれ様~ハーフタイムツアーズ」を放映するクラブツーリズムに、その戦略などをお伝えした記事が1位になりました。クラブツーリズムはいわゆるメディア系旅行会社に分類されていますが、テレビという別のメディアに挑戦するということで、そのねらいや戦略をお聞きしたものです。

 まだ放映自体が始まっていませんので番組の内容や雰囲気は想像するしかありませんが、パッケージツアーに焦点を当てるという点はユニークだと感じます。バスツアーにタレントが参加して観光だグルメだと(大げさな)感想をいうようなものは観たことがありますが、クラブツーリズムの番組ではテーマ性の高い旅行を取り上げるということで、パッケージツアーの良さが伝わる機会にもなるかもしれないと勝手に期待しています。

 また「テーマ旅行と映像との親和性が高いはず」という見立ては、同社にとって主力の会員誌は紙のスペースが限られるのに対しテレビ番組であればじっくりと魅力を説明できるという判断からだそうですが、同じツアーでも映像の撮り方ひとつで伝わり方が変わるでしょうし、色々と可能性は膨らみそうです。

 ちなみに、ストーリーを組み立ててツアーを販売するという考え方であれば、例えば小説で紹介するというアイディアもありえそうですが、今までそのようなことをした会社はあったでしょうか。テレビ同様コストパフォーマンスが課題になりそうですが、良質な小説とその世界観を再現するツアーを最初からセットで企画する、フィクションと現実がリンクするようなツアーを仕立てる、というような試みがあれば是非参加してみたい気がします。

 続いて2位は、今年5月にアメリカン航空(AA)の営業本部長に就任された矢島隆彦氏のインタビューでした。1位とは結構な僅差でしたが、矢島氏がもともとホテル業界で28年もの時間を過ごされてきてからの転職ということで、注目もより高まったのではないかと思っています。

 同じ営業でもホテルと航空会社とでは、例えば在庫を持てないなど類似点はあるにせよ、あまり他では聞く機会のない転身ではないでしょうか。しかし、お話をお聞きしてみると、もちろん勉強は色々と必要なのだとは思いますが、10以上のブランドを売り分ける必要のあったホテル時代の経験や知恵をビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーといったシートの販売にも活かせるはず、といったご発言に大きな説得力を感じました。

 そう考えると仕事をするうえで重要なのは、眼前の業務を上手にすばやくこなすことだけでなく、その本質的なものをなるべく見抜き、そこに対して工夫なりを加えることによって応用力を身につけることなのではないかと思われます。

 旅行、航空、宿泊と人材不足が表面化するなかで、矢島氏のような垣根を越えた人材流動が活発化すれば望ましい変化となるでしょう。何度か当欄で書いている通り私自身もホテルの現場にいた時期があり、縁があったとはいえそれなりに特殊なルートを歩んできたと自覚していますが、読者の皆様にも様々な可能性に目を向けてみることをお勧めしたいと思います。(松本)

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