パンパシフィック、日本再進出に意欲-20年にロンドン開業

  • 2018年9月8日

(左から)ネッスマン氏、チーフセールス&マーケティング・オフィサーのチン・タン氏 パンパシフィック・ホテルズ・グループCEOのローター・ネッスマン氏はこのほど大阪と東京でのワークショップに合わせて初来日し、業界誌のインタビューに応え、日本への再進出に意欲を示した。同グループは5ツ星クラスの「パンパシフィック・ホテルズ・アンド・リゾーツ」と4ツ星クラスで若者などをターゲットにした「パークロイヤル・ホテルズ・アンド・リゾーツ」の2ブランドでホテルを展開。2013年3月末まで「パンパシフィック」ブランドのホテルが横浜にあったが、現在は日本に出店していない。

 ネッスマン氏は「時期は未定だが、東京や大阪など都市部で開業したい」と意気込みを述べた。「日本は観光が豊富で、鉄道や地下鉄などのインフラも整っている。ラグビーW杯や東京五輪後も旅行需要は成長し続けると楽観的に考えている」という。

 加えて、ネッスマン氏は同グループがシンガポールに本拠地を持つことから、東南アジアでの展開を引き続き強化する方針を説明。マレーシアでは19年に「パークロイヤル・アファモサ・マラッカ・リゾート」、20年に「パークロイヤル・ランカウイ・リゾート」を開業する予定で、21年には全面改修工事のため閉館中の「パンパシフィック・オーチャード シンガポール」をリニューアルオープンするという。

 このほか、欧州や北米での開業も検討しており、20年にはロンドンに「パンパシフィック・ロンドン」を開業。ドイツなど欧州の主要都市で候補地を探していることを明かした。

 日本市場については「非常に重要。特にシンガポールでは日本人は宿泊者数の第3位」と説明。昨年度はシンガポール政府観光局とJTBが「デスティネーション・キャンペーン」の一環で送客を強化したことなどで、日本人宿泊者数は4割増加したという。なお、JTBは「パンパシフィック・シンガポール」内に「ルックJTBラウンジ」を設けており、ネッスマン氏は「我々にとってJTBはとてもパワフルなビジネスパートナー。いい関係性を引き続き築いていきたい」と話した。

 ネッスマン氏は「ウェブサイトを刷新するなど直販のセールスツールを強化しているが、OTAを含む旅行会社経由の販売は引き続き重視している」とコメント。「旅行会社のパートナーには最新の情報を提供し、コンタクトを継続していきたい」と語った。