KNT-CTの18年1Q、売上高微増も営利は9割減、国内旅行など減少
KNT-CTホールディングス(KNT-CT)の2019年度3月期第1四半期(18年4月1日~6月30日)の連結業績で、売上高は前年比0.3%増の1021億3900万円、営業利益は93.1%減の6000万円、経常利益は82.2%減の1億6300万円、当期純利益は83.9%増の10億3700万円となった。売上原価は1.3%増の849億1700万円、売上総利益は4.2%減の172億2100万円、販管費は0.3%増の171億6100万円だった。
営業利益と経常利益の大幅減は、桜の早期開花や島根県西部地震、大阪北部地震の影響などで、KNT-CTの利益を牽引してきた旧クラブツーリズムのバス旅行などの国内旅行が振るわず利益率が低下したことなどが理由。経常利益が営業利益を上回ったのは、前年度に発生した為替差損の解消や為替差益の計上が一因という。当期純利益は、旧近畿日本ツーリスト個人旅行をクラブツーリズムが吸収合併したことに伴う税負担の軽減などにより増加した。
KNT-CTは昨年4月に分社化などの組織再編を発表。今年の4月から、地域旅行会社と、個人旅行事業の「クラブツーリズム」、法人旅行事業の「近畿日本ツーリストコーポレートビジネス」、訪日旅行事業の「KNT-CTグローバルトラベル」などの専門会社に分社化している。KNT-CTによると、「組織再編の効果が出るのはもう少し時間が経過してから」という。
なお、KNT-CTは今期から、決算短信の報告セグメントの方式を変更。これまでは「個人旅行事業」「団体旅行事業業」「その他」の3種類に分けて売上高と営業利益を発表していたが、今後は「旅行業」に統一して発表する。変更の理由は、「(組織再編で)個人・団体旅行の区別なく、全ての旅行関連需要の獲得をめざす体制」に変更したため、そして今後の事業展開や経理管理体制、IT投資などの観点から「グループの事業を一体として捉えることが合理的」であるためという。
19年3月期の連結業績予想は変更せず、売上高は2.9%増の4170億円、営業利益は15.0%減の27億円、経常利益は13.2%減の29億円、当期純利益は55.7%増の22億円となる見通し。