オーストリア / クリムト没後100年の今年は「グスタフ・クリムト・センター」へ
グスタフ・クリムトは夏になると、パートナーのエミーリエ・フレーゲと避暑地、アッター湖で過ごしていました。北部の町・カマー/シェルフリング・アム・アッターゼーには、彼の人生と作品の背景をたどるグスタフ・クリムト・センターがあります。
青さの際立つ湖畔を歩くと、何故クリムトが点描で湖面を表現したのか実感できます。
グスタフ・クリムトは、特に女性の肖像画と装飾的な絵画で有名ですが、彼の芸術的な発展過程がはっきりと見てとれる多くの風景画も、同じように重要な作品です。その中の約46点は、彼が毎年夏休みに滞在したアッターゼー湖で描かれたものです。これらの作品の多くは、今や世界的に有名な絵画で、例えば「リッツルベルク」のように2011年に有名なサザビーズのオークションで3千6百万米ドルの値が付いたものも含まれています。
カマー/シェルフリング・アム・アッターゼーのクリムト・センターでは、クリムトの鉛筆とチョークを使った独自の研究による絵を鑑賞することができます。この作品を見ると、彼がヴァン・ゴッホの点描画法の影響をうけていたことがわかります。クリムト・センターを訪れれば、とりわけこの芸術家の人柄と、彼が休日を楽しむ人であった一面を知ることできます。クリムトをテーマとしたアッターゼー湖畔の小路を歩けば、彼がたとえ散歩中でも決して休すむことなく、湖の様子から常に芸術的なインスピレーションを受けていたことが理解できます。周辺を散策する毎に、カマー城のようなクリムトの有名なモチーフに遭遇したり、彼がそれを描いたいくつかの視点に気づいたり、クリムトが印象的にキャンバスに描写した湖畔公園に行き当たります。
この小路の終点には、クリムトがいく夏かを過ごした別荘ヴィラ・パウリックがあります。信じられない事かも知れませんが、ほとんど当時のままの姿で保存されているこの別荘の部屋を借りることができます。簡素な衛生設備を受け入れる事ができるなら、ここに滞在して素晴らしい世紀末の雰囲気に浸ることができます。
また、1900年からここを訪れた大画家の記入が残っている、厳重に警備管理されたゲスト・ブックに目を通すことができるかも知れません。
※グスタフ・クリムト・センター(Gustav Klimt Zentrum) 詳細
https://attersee.salzkammergut.at/klimt/oesterreich/poi/430000618/gustav-klimt-zentrum.html (ドイツ語、英語他)
情報提供:オーストリア政府観光局、日本海外ツアーオペレーター協会