JTB、バス2社と共同で新会社設立、「SKY HOP BUS」全国展開へ

  • 2018年7月4日

▽東京は2年で利用者数4倍に、新宿・渋谷コース新設

中島氏  今後の事業内容については、元JTB訪日インバウンドビジネス推進部事業統括部長で、このほど新会社の専務取締役に就任した中島節郎氏が説明。ホテルのコンシェルジュや観光案内所などによる紹介や、主要OTAやリアルエージェントを介しての販売により訪日FITの取り込みをはかるほか、JTBグループ会社を活用して国内旅行者への販売にも取り組む考えを示した。

 「SKY HOP BUS」の18年の利用者数は5万6000人程度に留まる見込みだが、東京五輪が開催される20年には東京だけで4倍の20万人をめざす。急増する訪日旅行者の6割が東京を訪れていること、ロンドンで同様のサービスを提供する「ビッグバス」の利用者数が年間70万人に上ることを考えると、難しい数字ではないという。

 目標達成に向けては、新たに新宿と渋谷を周遊する新コースを開設。バス停周辺のコンテンツやコラボ商品の開発、特典企画などにも注力し、キャッシュレス・チケットレス対応も強化する。料金は20年までは1枚3500万円のまま据え置くという。

 多言語対応については、現在は日英中韓の4言語による車内アナウンスをおこなっているが、順次8言語、15言語へと拡大。車両数は現在の4台を8台程度にまで増加したい考えで、運行本数を増やすことでバス停での待ち時間も短縮する。

 全国展開については「訪日旅行者が多いから闇雲に進出するわけではない。一方的な進出は難しい」と慎重な姿勢を示し、地域のニーズや地元企業との連携を重視する考えを説明。京都や大阪への進出についても「京阪バスとの連携があってこそ」と強調した。東京や京都以外の地域については、北海道や九州、沖縄での早期事業化を視野に入れていることも示唆した。