インフィニ、NDC推進で年内に新機能、LCCとも比較可能
インフィニ・トラベル・インフォメーションは6月1日に開催した旅行会社向けセミナーで、国際航空運送協会(IATA)が普及をめざす新規格「NDC(New Distribution Capability)」に対応した新機能を年内を目処に提供する計画を明らかにした。まずは大手旅行会社やOTAなどを対象にAPIを公開。その後に「INFINI LINX PLUS」の空席連動型検索「Low Fare Search」において、従来の航空券検索システム、LCC用の「INFINI LCC Search」、NDC規格のダイレクトコネクトによる検索の3種類の検索機能をひとまとめにして提供する考え。NDCの検索システムはトラベルフュージョンが開発したものを導入する。
同社常務取締役の平林良章氏は「NDCとLCCを1度に検索することは『INFINI LCC Search』を持つ我々だからこそできること」と強調。NDCへの対応については「一般のお客様は航空会社のウェブサイトなどで多様な情報を集めているが、旅行会社のGDSではできない。NDCの活用は避けて通れない」と語り、「航空各社がNDCに関してバラバラな動きをしているため、100%できるかはわからないが、我々の構想を実現させたい」と話した。
新しい検索機能を追加した「Low Fare Search」では、既存の航空券検索、INFINI LCC Search、NDCのダイレクトコネクトの3つのボタンを設ける予定。旅行会社は希望するすべてのボタンにチェックを入れて検索すると、一括検索ができて料金を比較できる。NDCのダイレクトコネクトでは、座席の画像などの確認が可能。精算方法は検索方法によって異なり、NDCはクレジットカードとBSPに対応する。
NDCによる検索機能は航空券の代金にインフィニやトラベルフュージョンの手数料を上乗せして提供。航空会社と旅行会社が直接契約するよりも代金は高くなるが、平林氏は「旅行会社が自力でシステムを開発する必要がなく、アップデートの費用もかからない。また、多くの航空会社を1度に検索できる」とメリットを主張した。また、同じく手数料を上乗せして航空券を提供しているINFINI LCC Searchも旅行会社から好評で、1日数百件の予約があることをアピールし、新機能の利便性に自信を示した。
セミナーでは、トラベルフュージョンCEOのモシェ・ラフィア氏が登壇し、NDCの重要性を強調。NDCについては、すでにFSC22社と契約していることを紹介するとともに、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)やルフトハンザ・グループなどがGDS経由の販売に対して手数料を徴収していること、ヨーロッパでNDC専用の割引運賃を提供していることなどを説明。旅行会社には「新しい規格であるNDCを積極的に活用してほしい」と呼びかけた。
なお、インフィニは同日、旅行会社や航空会社を招いてレセプションを開催。同社取締役会長の藤木悟氏は「グローバル化が進むなか、日本ベースのGDSとして市場にあった形でサービスを展開していきたい」とコメントした。4月1日付で同社代表取締役社長に就任した植村公夫氏は、全日空(NH)でCIO(最高情報責任者)を務めた経験を活かし、旅行会社をサポートする考えを示した。