小型船クルーズのポナン、初の日本駐在担当者を配置、市場強化へ

  • 2018年5月31日

伊知地氏  小型船で極地探検などを展開するフランスのラグジュアリークルーズ船社のポナンは、5月31日付で日本駐在ビジネスディベロップメントマネージャーとして伊知地亮氏を指名した。日本市場の強化に向けたもので、同社はマーキュリートラベルやジェイバなどを日本地区販売代理店(PSA)として指名しているが、販売総代理店(GSA)は置いておらず、日本に専任のスタッフが駐在するのは初めて。同氏はフリーの南極ガイドとして活躍したのち、17年からポナンの専属に。あわせて日本市場でのマーケティングなどを支援していた。

 同社は現在、1万トン強の小型船4隻と、1443トンのヨット「ル・ポナン」1隻の計5隻を保有。21年には砕氷船「ポナンアイスブレーカー」1隻を含む7隻を増やし、12隻体制になるという。伊知地氏によれば、客船の増加に伴い、日本市場を重点市場と位置づけて日本人旅行者の獲得を強化する方針で、「FITを取り扱う旅行会社などを介してクルーズを販売していきたい」と話した。なお、PSAとの契約は継続する。

「ポナンアイスブレーカー」。ポナンによれば、砕氷船としては世界で初めて、客船として建造するという  同氏によると、日本人のほとんどは同社が強みとする南極クルーズに参加しており、年間300名から400名程度が乗船。南極クルーズは11月下旬から2月下旬までの約3ヶ月間の期間限定であることから、伊知地氏は「残り9ヶ月で楽しめる他の方面をアピールしたい」と意欲を示した。今後は「南極の次の訪問先」として北極や、日本人の人気が高く、極地クルーズよりはクルーズ代金も安い地中海などをアピールする考え。加えて、ポナンが近年力を入れているという、東南アジアやオセアニアなどでの探検クルーズも訴求する。

 なお、ポナンは「ロストラル」や「ル・ソレアル」など1万トン強の小型船で、ほぼ毎年、日本発着・寄港クルーズを実施しているが、乗客のほとんどは欧米からの訪日外国人旅行者という。

※詳細は後日掲載予定