旅館業の将来に責任 全旅連青年部が18年度総会(1) 民泊、人手不足―前進誓う

 全旅連青年部(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部、1300部員)は4月17日、東京・平河町の都道府県会館で2018年度総会を開き、17年度事業と決算報告、18年度事業計画と予算を審議し、承認した。青年部長の任期は1期2年。西村青年部長体制では折り返しの総会となる。

 冒頭のあいさつで西村青年部長は、民泊対応と人手不足対応に絞り1年の活動を総括しながら、今後の取り組みを説明し、協力を求めた。

 このうち民泊については「進行中の課題。6月15日に施行される住宅宿泊事業法は、私たちが願っていた形ではない。しかし、事業者の匿名性の排除、条例による地方自治体の裁量の確保、仲介事業者による違法物件掲載の禁止といった点で、前進できた1年だった」と述べ、引き続き自民党観議連、全旅連親会とタッグを組んで対応していく考えを示した。

 人手不足対応については、求人サイト「旅館・ホテルでおしごとnet」を立ち上げたことを紹介した上で、将来的には「2020年には外国人雇用に道が開けている状態に持っていきたい」と抱負を述べた。求人サイトは17年9月に稼働し、現在230軒が利用し、月間1千人程度の求人件数で動いている。

 今期の青年部のテーマは「変わらないために変わる」。組織強化では地道な電話作戦などが功を奏し、17年度に125人の新入部員を獲得。引き続き300人を目標に新部員の勧誘に注力する。

 労務改革では「旅館・ホテルでおしごとnet」の利用の拡大を図り、旅館500軒の参画を目指す。ITソリューションによる生産性の向上についても成果をまとめることにしている。

 今年は全国大会があり、10月に長崎県で開催。第4回旅館甲子園を19年2月に東京で開く。

 総会には来賓として全旅連の多田計介会長、細田博之・自民党観議連会長、小田禎彦・第3代青年部長、松﨑久美子・JKK(全旅連女性経営者の会)会長らが出席。

 多田・全旅連会長は「民泊新法対応では、住民や地域の安全・安心にフォーカスしたことと、地方の闘いに切り替えたのがよかった。民泊関連条例を作ることができる地方自治体のうち、3割がつくれば成功と思っていたものが7割が制定したことは、全旅連が1つになり運動を展開した成果だ」と話した。

 細田・観議連会長は「民泊でおかしなことがあってはならない。客の接遇はみなさんが基本です。21世紀の日本を引っ張る気概で活動を」とエールを送った。

(トラベルニュースat 18年4月25日号)


情報提供:トラベルニュース社