JTB、東京都と包括連携協定、旅行会社では初-9項目で協力
JTBと東京都は3月19日、包括連携協定の「ワイドコラボ協定」を締結した。同協定は東京都と企業などが複数の政策分野について包括的に協力するもので、JTBによれば保険会社以外の企業が東京都と包括連携協定を締結するのは初めて。9つの項目について協力し、地域の発展や都民へのサービス向上などに努めるという。期限は1年間で更新制。現時点では具体的なプロジェクト計画などは示していない。
同日に開催した協定締結式で、JTB代表取締役社長の高橋広行氏(※高ははしご高)は、これまで同社が長年に渡って「交流文化事業」に取り組み、観光資源の掘り起こしや磨き上げ、情報発信などで地域の発展に寄与してきたことを強調。その上で「東京都がめざす新しい東京の実現に、交流文化事業で貢献していきたい」と語った。
東京都知事の小池百合子氏は「JTBとさまざまな分野で連携し、『東京に行きたい』と思ってもらえるよう(魅力を)発信していきたい」とコメント。訪日外国人旅行者の誘致や20年の東京五輪などに関してJTBと協力する方針を示した。また、JTBが昨年10月に、浜離宮恩賜庭園をライトアップして実施したイベント「Tokyo Prime Night」に言及し、協力してユニークベニューの積極的な活用などに取り組むとした。
9項目は「文化の振興」「農林水産業の振興」「環境」「防災・減災」「ライフ・ワーク・バランスおよび女性の活躍推進」「健康増進」「地域の安心安全」「ツーリズムの発展」「地域社会の活性化および都民サービスの向上など」の9つ。
JTBは同協定の締結に伴い、4月1日に「東京交流創造事業部」を新設して東京都に対する交渉などをおこなう方針。「地域交流事業を強化し、人流・物流・商流の活性化に積極的に関与し、東京都の期待を超える価値を生み出すことをめざす」としている。