ANAHD、ピーチ・バニラ統合は「検討中」、報道受け見解
ANAホールディングス(ANAHD)は3月19日、一般紙など一部のメディアが、同社が2020年までに連結子会社のピーチ・アビエーション(MM)とバニラ・エア(JW)を統合する方針を固めたと報じたことを受けて、公式サイトに見解を発表した。「さまざまな検討をおこなっていることは事実」と述べた上で、「本件に関して現時点では決定した事実はない」と強調している。
16日から17日にかけて日本経済新聞や時事通信社などは、ANAHDがMMとJWの統合によりLCC事業の規模の拡大や機材使用の効率化、経営基盤の強化などをはかり、アジアでの展開を本格化すると報道。ブランドは東アジアなどで認知度を高めつつあるMMに一本化する見通しと伝えている。なお、MMとJWの2社を統合した場合、売上高と搭乗者数はともにジェットスター・ジャパン(GK)を上回ることとなる。
本誌の取材に応じたANAグループ広報部は、統合について「可能性が全くないとは言えないが、現時点で決定していることはない」と見解通りにコメント。MMの広報担当はコメントを控え、JWの広報は「そのような話は全く聞いていない。寝耳に水」と語った。
なお、ANAHDは今年2月の新たな中期経営計画の発表時には、LCC2社が独自性を維持したまま路線を拡大し、連携を強化する考えを明らかにしていたところ。そのほか、20年を目標に片道7時間半から9時間程度の中距離路線へ進出し、東南アジアや南アジアなどの未就航地にネットワークを拡大する方針や、22年度にはLCC事業だけで営業利益200億円をめざす目標なども示している。