多摩・島しょに体験エンタメを 東京の幅広い魅力―大自然生かせ(2) グランピングやガストロノミー

 このうち奥多摩町のグランピングでは、町が未利用町有地の提供や地元住民に対する説明会の開催などで協力した。

 石山CEOは、「国立公園内で規制をクリアするのが大変だった」と振り返りながら、「3月に5つのテントをオープンさせる。奥多摩の自然の中でゆっくりした時間をすごしてほしい」と来訪を呼びかけた。

 グランピングは、快適なテント設備やシェフの料理など、アウトドアの洗練した楽しみ方として人気が高まっている。まず5つのテントで開業。1テント3万5千円から15万円で利用できる。

 奥多摩町の担当者は、「過疎化対策としても、いいモデルケースになった。長期の観光活性化につながるものと期待している」と話した。

 TOKYOガストロノミーツーリズム事業では、調布市や府中市で島しょの食をアピールするイベントを行った。大島や新島などの定期航空路線がある調布飛行場は、島しょへの玄関口でもある。イベントにより島しょの食への関心が高まり、観光客誘致の道筋をつくることができた。

 調布市の担当者も、「これまで食で特徴を出せずにいたが、島とタイアップすることで島食を前面に打ち出すアピールが可能になった」と前向きに評価した。

 2月にオープンした、八丈島の星降るプレミアムデッキは透明テントで、冬でも寒さを凌いで星空を眺められる施設。1日1組限定で利用者を募集したところ反響も多く、施設では宿泊ができないこともあって、用地を提供した民間ホテルの宿泊問い合わせにもつながっている。

 小谷執行役員は「八丈島の星空という資源価値をどう見せ、どう楽しませるかを考えた。冬に暖かく、ゴージャスに星空を楽しんでほしい」。八丈島では星空デッキに加え、来島者や来島を予定している人に情報をラインで情報を提供する「島コンシェルジュ」も始動する。


情報提供:トラベルニュース社