ANAHD、3Qも増収増益、純利1530億円に-通期予想は据え置き
ANAホールディングス(ANAHD)の2018年3月期第3四半期(17年4月1日~12月31日)の通期連結業績で、売上高は前年比11.9%増の1兆4908億4300万円、営業利益は27.4%増の1659億6600万円、経常利益は31.9%増の1638億7200万円、純利益は76.7%増の1529億5900万円となり、全項目で過去最高を記録した。主力の航空事業が国際線・国内線ともに好調だったことに加えて、今期からピーチ・アビエーション(MM)を連結子会社化したことなどもあり、特に純利益が大幅増となった。営業費用は整備費などの増加により10.3%増の1兆3248億円だった。
航空事業の売上高は13.0%増の1兆3081億円、営業利益は27.8%増の1554億円。このうち国際線の旅客数は7.2%増の723万8512人で、旅客収入は15.2%増の4474億円となった。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は7.7%増、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は8.5%増で、利用率は0.5ポイント増の76.1%。ネットワークの拡充に伴い、日本発のビジネス需要に加えて、急増する訪日外国人旅行者も取り込んだ。
国内線の旅客数は3.5%増の3379万9245人で、旅客収入は2.4%増の5326億円。ASKが1.1%減だったところ、RPKは4.0%増となり、利用率は3.4ポイント増の69.1%となった。各種割引運賃の設定に加えて、国際線と同じくビジネス需要が堅調に推移したことなどが後押ししたという。
マイレージや整備、バニラエア(JW)、MM、機内販売などの各種収入で構成する航空事業の「その他の収入」は、37.9%増の2092億円。JWの旅客数は31.8%増の201万9000人で、利用率は0.1ポイント増の85.6%だった。MMの旅客数は377万1000人、利用率は86.5%。空港の地上支援業務などの「航空関連事業」の売上高は9.9%増の2115億円で、営業利益は26.3%増の114億円だった。
旅行事業は売上高が0.1%減の1219億円で、営業利益は13.2%増の36億円。売上高については、海外旅行が好調だった一方で国内旅行が減少。訪日旅行も競争激化により台湾での取扱高が減少したことなどから全体では微減となった。このほか、商社事業は売上高が3.1%増の1065億円、営業利益は5.8%減の36億円だった。
なお、通期の業績予想については、第2四半期の業績発表時に上方修正した予想を据え置いた。売上高は9.0%増の1兆9250億円、営業利益は9.9%増の1600億円、経常利益は6.9%増の1500億円、純利益は33.6%増の1320億円。業績は好調に推移しており、通期の目標を第3四半期でほぼ達成したものの、第4四半期間中に整備コストの平準化に向けた新たなプログラムの導入を予定していることなどを勘案したという。