マリアナ、復活へリブランドに手応え-座席増は以遠権活用も

  • 2017年12月13日

12月12日にはDLと「マリアナアンバサダー」ら約60名を集めてレセプションを開催した マリアナ政府観光局(MVA)ゼネラルマネージャーの一倉隆氏は12月13日、本誌の取材に応じ、就任からの1年強での取り組みについて手応えを語るとともに、2018年への意欲を示した。

 MVAは昨年10月1日付けで、一倉氏が代表を務めるアクセスを日本事務所の委託先として選定。一倉氏は「デスティネーションとして忘れ去られていた」との問題意識のもと、予算を投じてメディア露出に注力したほか写真家の高砂淳二氏に依頼してプロモーション用の素材も刷新。ウェブサイトのリニューアルや観光大使「マリアナちゃん」の任命など、積極的にリブランディングに取り組んだ。

 こうした結果、例えばメディア露出では女性誌やオンライン媒体での情報発信が実現したほか、今後も全国ネットの旅番組も放映される見通し。現在はメディア側からのアプローチも増えてきているところで、新たに地球の歩き方との連携により女性を意識した新ガイドブックの企画も進んでいるという。

 さらに、イメージだけでなく実際の品質を向上する取り組みも進んでおり、空港での自動パスポートコントロール機(APC)の導入や、空港やガラパン地区で花を植えていく「フラワーアイランドプロジェクト」も発足。このほか、カジノホテル「Imperial Pacific Resort Hotel Saipan」もカジノ部分が開業しており来年にはホテルを含めてグランドオープン予定で、一倉氏はこの完成によってまた印象が大きく変わると期待する。

新観光大使「マリアナちゃん」(2017年2月撮影) このほか、旅行業界向けには「マリアナ観光マイスター検定」の制度が稼働し、すでに10名以上が最高ランクの「ゴールド」を獲得。内容を差別化した特別なFAMツアーの参加資格に指定するなどしてさらに受講を促す。もともとの「マリアナアンバサダー」(関連記事)も継続し、旅行業界経由の需要喚起と獲得を継続していく。

 また、18年については「マリアナジェニック」をテーマとして「インスタ映え」を旅行意欲につなげていくキャンペーンを計画。これは、若年層、特に若い女性が行きたくなる、行ってから情報を拡散したくなるような環境が今後の訪問者増に向けて不可欠との分析に基づくもの。旅行会社に対しても「テーマのあるパッケージツアー」の造成を働きかけていく方針で、すでに「インスタ映え」については複数社から好感触を得ているという。

 懸案の座席供給量の拡大については、1年間の活動を通して「チャーターはなかなか難しいことが分かった」といい、東京についてはデルタ航空(DL)の成田線を確実に埋め、関空や中部で以遠権を持つ第3国の航空会社やLCCへの働きかけることで、18年内に「できれば週3便の季節便でも実現させたい」との考えだ。

 なお、MVAでは長年に渡ってオリジナルキャラクター「サイパンだ」をサイパンの顔として起用してきたが、誕生から20年の節目を迎える2018年をもって引退することを決定。日本では、局としてはマリアナちゃんを全面に押し出して活動することとなる。