週間ランキング、1位は世界一周チャーター、出国税使途も
[総評] 今週の1位は、ジェイティービー(JTB)がプリンセス・クルーズのサン・プリンセスで世界一周クルーズをチャーターするというニュースでした。97泊98日のツアーで目標1800名という非常に規模の大きな話で、さすが最大手といったところでしょうか。損益分岐が何名くらいなのか気になるところですが、意地でも売り切るというJTBの決意が感じられます。
船に限らずチャーターは、リスクを取って魅力的な旅行商品を提供するための有効な手段でしょう。こんなに大きな案件はJTBしか、大手しか無理だ、というお声もあるでしょうけれども、ブロックチャーターのような手法もありますし、希少性や独自性を打ち出す手段として日本全国津々浦々で是非より盛んになってほしいものです。
仏教で「貧者の一灯」、キリスト教では「寡婦の献金」といわれる似たような説話があるのをご存知でしょうか。詳細は検索していただければすぐ出てきますが、簡単に言うと持たざる者による精一杯、なけなしの信心は、例え持てる者のそれに量的には劣ったとしても質的にはよほど尊い、というような話です。
「信者」と続けて書くと「儲け」になる、というブラックジョークもあり、この話もそういう視点(=だから金持ちはさらに払え)で見ることもできてしまうわけですが、自分の身の丈ぎりぎり、あるいは少し背伸びをするくらいの努力が、そうでない惰性的な行動よりも成長につながるというのは間違いないはずです。
さて、続いて2位は関空における10月の国際線旅客数ですが、先週も関空の話題が1位になったばかりで、いよいよ書くことがなくなりつつあります。しかも、当欄のタイトルに「関空」の文字が入れると他の週に比よりも必ずアクセス数が低くなるのも悩みの種で、このおかしな傾向の原因がお分かりの方がいらっしゃれば是非教えていただきたいところです。
このほか第8位には、「出国税」の使途について日本旅行業協会(JATA)が観光庁へ要望しようとしている記事がランクインしました。以前にも当欄で書いた通り、トラベルビジョンとしては菊間潤吾副会長が示されている方針に賛意を表します。旅行業界のガス抜き程度の予算に落ち着いてしまうことのないよう、1円でも多く確保できるようハードな交渉を願っています。
なお、さきほど宗教を蔑むようなことを書きましたが、お気分を害した方がおられましたらお詫び申し上げます。ただ、母が熱心なキリスト教徒であるため生まれてから中学までは毎日曜日に教会に通っていたこともあり、無知な外野として述べているつもりもありません。むしろ、今でも考え方や発想の根幹はその頃に形作られたと自覚しています。
しかし、世界中で起きる異宗教同士の摩擦や、鼻をつまみたくなるような原理主義の動きを見ていると、少なくとも私にとっての救いがそこにあるとは思えません。もちろんそれぞれの信仰を否定するものではありませんが。
最後に、私ののような人間に最も合っていそうな宗教(?)として「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」をご紹介しておきます。大変ユニークで面白い存在ですので、お時間があれば是非一度リンク先のWikipediaをご覧になることをお勧めします。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年11月24日0時~12月01日18時)
第1位
◆JTB、19年にプリンセス・クルーズで世界一周チャーター、98日間(17/11/27)
第2位
◆関空、10月の国際線旅客は16.4%増、訪日客が増加(17/11/27)
第3位
◆元HIS平林氏、アコーディア・ゴルフ社長に-1月1日付(17/11/29)
第4位
◆主要50社、17年度上期の海外旅行は6.5%増、すべての月が増加(17/11/29)
第5位
◆アバンティリゾートクラブが破産開始決定、負債額は4.9億円(17/11/28)
第6位
◆日本航空、アエロフロートとも提携、コードシェア実施へ(17/11/27)
第7位
◆IATA、次世代BSP、18年以降に順次導入へ-代理店カードにも道(17/11/30)
第8位
◆JATA、年度内にも観光庁に出国税の使途提案、若者の海旅支援など(17/11/28)
第9位
◆バリ島のアグン山が噴火、空港は28日朝まで閉鎖に(17/11/27)
第10位
◆GBT NTA、今年もBTMフォーラム、AIやロボティクスに焦点(17/11/26)