コロンビア、アエロメヒコとセミナー、潜在力アピール
コロンビア貿易振興機構はこのほど、アエロメヒコ航空(AM)と共同で観光セミナーを開催した。コロンビアは治安の改善や経済成長などを受けて観光に注力しており、AMはメキシコシティからのビヨンド強化の一環としてコロンビアに注目しているところ。AMがメキシコ以外のデスティネーションとセミナーを共催するのは初めてという。
セミナーでは冒頭で、コロンビア大使館全権公使・次席代表のアレハンドロ・ポサダ氏が挨拶し、同国の観光業は石油輸出などに続く主要産業に成長していることを説明。「持続可能な観光開発をおこなっている」と強調し、旅行会社の積極的な商品造成に期待した。
続いてプレゼンテーションをおこなった同機構日本事務所代表の和合ヒロシ氏は、コロンビアでは2010年から16年までにホテル数が約180軒増加し、フォーシーズンズやハイアットリージェンシーなど世界的チェーンのホテルも次々と開業していることを紹介。観光資源については、アンデス山脈やカリブ海、アマゾンのジャングルなど多様な自然風土や先住民文化、メデジンで毎年8月におこなわれる花祭りなどのポテンシャルの高さを強調した。
和合氏によれば、長年のコロンビア政府の政策が功を奏し、犯罪発生率は減少。16年の内戦終結、大統領のフアン・マヌエル・サントス氏のノーベル平和賞受賞が後押しする形で、海外からの企業進出も活発化し、16年の外国人観光客数は前年比12%増の約509万人を記録した。米国エコノミスト誌では16年の「カントリー・オブ・ザ・イヤー」に、ロンリープラネットでは17年の「ベスト・デスティネーション」の第2位に選ばれるなど、「世界の注目が集まっている」という。
16年の日本人旅行者数は約7000人だが、同20%増とアジアでは最も伸び率が高く、ここ5年間でコロンビアに進出した日系企業数は5倍に増加。和合氏は「日本市場には大いに期待している。今後もAMや日本の旅行会社と協力し、誘致をはかりたい」と話す。
AM日本地区営業本部長の佐藤滋信氏によると、日本発の利用者の4割はメキシコ以外の第三国への旅行者。同社はそのうちの3割を首都のボゴタと第2の都市メデジンに、それぞれ週3便で送客しているという。今年1月から10月までの日本人送客数は、前年同期比40%増と大きく伸びており、佐藤氏は同国の自然や世界遺産などの魅力について述べた上で「18年は倍増をめざす」と語った。
AMは今年3月から成田/メキシコシティのフライトをデイリー化し、10月にはアライアンスの枠を超えて日本航空(JL)との提携を発表している。18年はメキシコ以外への送客増にも尽力する考えだ。