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成田、17年度2Qは増収増益、通期は各利益を上方修正

  • 2017年11月13日

夏目氏  成田国際空港(NAA)の2018年3月期(17年4月1日~9月30日)の連結業績で、営業収益は前年比4.2%増の1131億3500万円、営業利益は6.1%増の250億4000万円、経常利益は9.5%増の232億6400万円、当期純利益は64.4%増の239億8700万円となった。中間決算が増収増益となったのは2年ぶり。営業収益は、訪日外国人旅行者の増加や昨年下期に開業した店舗の貢献で好調に推移。当期純利益は、厚生年金基金の代行返上益などの特別利益により過去最高となった。

 11月10日の決算発表会見で同社代表取締役社長の夏目誠氏は、リテール事業などの非航空収入と航空収入の比率が、昨年の上期は54対46対だったところ、今期は55対45へと微増したことを説明した上で、「我々の経営を支えるリテール事業が回復基調にあることが、全体の増収に寄与している」との見方を示した。リテール事業の売上のうち8割は外国人によるもので、そのうちの約55%が中華系。中国人の1人あたりの消費額については、いわゆる「爆買い」と騒がれた15年度並みにまで回復しつつあるという。

 事業別では、空港運営事業は営業収益が0.2%減の530億8600万円で、営業利益が23.0%増の54億9300万円。営業収益は航空機材の小型化により空港使用料収入などが落ち込んだため、前年を下回ったが、訪日外国人や国内線旅客数の増加により、旅客施設使用料収入は増加した。営業利益は退職給付費用の減少などにより前年を上回った。

 リテール事業は営業収益が12.1%増の432億3500万円、営業利益が6.3%増の120億1300万円。営業収益は子会社の物販・飲食収入、一般テナントからの構内営業収入ともに増加した。空港内店舗の上期の売上高は11%増で、10月も23%増と好調に推移しているという。なお、9月に第2ターミナルビルの国際線到着エリアで開業した「到着時免税店」ついては、利用者の8割が日本人で、売上高は目標を3割上回り好調に推移しているという。

 そのほか、施設付帯事業は営業収益が前年並みの153億2100万円、営業利益が2.2%減の73億3700万円。鉄道事業は営業収益が前年並みの14億9200万円、営業利益が21.7%増の3億5300万円だった。

 通年の連結業績予想については、5月に発表した前回予想時から営業収益を下方修正し、全利益を上方修正した。営業収益については想定よりもリテール事業の売上高が伸びなかったため、2億円減の2271億円に修正するが、昨年度比では96億円増となり、民営化後の過去最高を記録する見通し。各利益の修正後の予想は、営業利益が23億円増の408億円、経常利益が27億円増の373億円、当期純利益は過去最高となる25億円増の319億円を見込む。