トップインタビュー:ベトナム航空日本地区総支配人のヴー・グェン・クォイ氏
既存路線の増便や機材大型化に注力
カンボジアやラオスなど以遠需要の取込強化
-VNが株式の7割を保有する、ジェットスター・パシフィック(BL)がこのほど関空/ハノイ、ダナン線を開設しました
ヴー 関空/ハノイ線については我々も同じ路線を運航しているが、BLはナローボディのA320型機で週4便を、我々はワイドボディのB787-9型機で1日1便を運航している。また、BLは関空を夜に出発するが、我々は午前中に出発する違いがある。すみ分けはできており、BL就航後も我々のハノイ線の乗客は増加し続けているため、大きな影響はないと考えている。
BLを含む多くのLCCが関空や福岡に就航しており、LCCとの競合はこれからも続いていくだろう。我々はビジネス客からレジャー客、修学旅行などの学生まで、幅広いターゲットにサービスを提供できる点がLCCと異なっている。LCCの運賃は安いが、お客様は必ずしも安い運賃を重視する人だけではない。FSCとして定時制、信頼性、安全性の3点でLCCと対抗していきたい。
我々はスカイトラックス社から2年連続で4スターエアラインに認定された。こうしたサービスの質の高さについて認知度を高めるとともに、サービスのさらなる向上に取り組むことで、ビジネス客などのロイヤリティカスタマーに対してアピールしていきたい。
-昨年から開始したNHとの協業についてお聞かせください
ヴー NHとは強固なパートナーシップを築いており、日本/ベトナム間の全路線に加えて、ベトナム国内線6路線と日本国内線21路線でコードシェアを実施している。さらに、冬ダイヤからはシェムリアップ/ハノイ、ホーチミン線でもコードシェアを開始した。マイレージプログラムについても提携し、お互いのロイヤルカスタマーをしっかりと囲い込んでいる。
NHとの契約は本社同士の話なので詳細は避けるが、NHとの関係はさらに強化していくべきと考えている。日本事務所としては、NHからEコマースやディストリビューションの方法を学んでおり、一定の成果が出たと思っている。
-日本航空(JL)はベトジェット(VJ)と包括的業務提携に向けた覚書を締結しました
ヴー VJは日本路線を検討していると聞いているが、まだ日本に就航していない。我々がすべきことは、今のうちにNHとの関係を強化し、2社で頑張っていくことだと思う。
-日本の旅行会社との関係についてお考えをお聞かせください
ヴー 日本の旅行会社には、VNが1994年に関空/ホーチミン線を開設して以来、23年間に渡ってご助力いただいた。旅行会社の皆様のお力がなければ、我々はここまで成長できなかっただろう。直販化や、拡大するOTAにも対応しなくてはいけないが、従来型の旅行会社との関係を継続する理由は十分にあると考えている。今後とも協力をお願いしたい。
-ありがとうございました