カナダ、17年は30万人超へ-来年は新路線でケベックも本腰
カナダ観光局は10月23日、日本市場に特化した商談会「フォーカス・カナダ・ジャパン」を開催し、来日した国際担当副社長のエマニュエル・ルゴー氏は、日本市場の現状を説明するとともに、2018年の方針について明らかにした。また、来年6月に開設予定のエア・カナダ(AC)の成田/モントリオール線についても言及し、ケベック州などのデスティネーション開発に意欲を示した。
カナダ観光局は17年を通じて、各州・準州観光局とともに建国150周年を記念した取り組みを実施。さまざまなメディアや旅行会社と連携し、多彩なテーマでコンテンツ・マーケティングを展開するとともに、新しい商品開発に取り組んできた。17年の日本人旅行者数は前年比5%増の30万人強を見込んでおり、12年以降6年連続で前年を上回る結果になると予測されることから、ルゴー氏は「日本は非常に重要な市場になっている」との認識を示し、日本でのチーム・カナダによる取り組みを高く評価した。
18年の新たな試みとしては、「インスタ映えする」(ルゴー氏)体験を紹介する「WOWエクスペリエンス10選」を開始し、旅行会社と連携して、厳選された体験を組み込んだ商品の開発と販促を強化していく。また、引き続き冬期とオフシーズンの需要喚起に力を入れる方針。同局では、今年9月から新たなキャンペーン「あったかい、冬カナダ」をスタートし、その取り組みの1つとして冬のカナダをテーマとした30秒のアニメーション動画を制作。ルゴー氏によると、リリースから1ヶ月で200万ページビューに達し、日本だけでなく世界中に拡散しているという。
ルゴー氏は「コンテンツ・マーケティングを軸に文化、食、都市など、これまでとは違うカナダの側面を訴求していく。また、女性や若者を中心に安全な旅先としての認知度が高まっていることから、自然だけでなく都市滞在を組み合わせた旅程を提案していきたい」と説明。こうした取り組みを通じて、18年の日本人旅行者数は前年比3%増をめざすとともに、旅行会社と協力していくことで将来的には滞在日数を11泊にまで伸ばす目標を掲げた。
▽ケベック州、来年は「チーム・カナダ」に加入
そのほか、ルゴー氏はACの成田/モントリオール線については、今後はケベック州など東部カナダの露出も増えてくることが予想されると述べ、新しいデスティネーションの開発に意欲を示した。ケベック州はモントリオール線開設に伴い、日本への観光関連の投資を増やしていく方針だという。来年には「チーム・カナダ」にケベック州観光局も加わる予定だ。
なお、4回目となる今年の「フォーカス・カナダ・ジャパン」には、カナダの旅行業界から51社82名が来日。日本からはバイヤーとして50社80名が参加した。