九州の18年度は維新150年など話題豊富 九州観光推進機構が大阪で説明会

 九州観光推進機構は9月12日、大阪市北区のグランヴィア大阪で観光情報説明会を開いた。九州各県から約80人の観光関係者が出席し、旅行会社40社の担当者約110人に2018年度上期の最新情報などを紹介した。

 はじめに、九州観光推進機構の渡邉太志事業本部長が九州観光の現状を報告。九州全域の宿泊者数では昨年や一昨年と比較すると増加しているものの、7月の九州北部豪雨で被害を受けた由布院温泉などは旅館の利用が約2割減に落ち込む地域もあったという。

 次いで、渡邉事業本部長は「昨年は熊本地震で大きく落ち込みましたが、九州ふっこう割などでたくさんの人に来ていただき11―12月にはほぼ前年並みに戻りました。今年は、施設や旅行会社が独自の割引などを行う九州からありがとうキャンペーンを実施しています」と述べた。

 鹿児島県と佐賀県は「佐賀と薩摩の幕末・明治維新―平成30年は明治維新から150年」をテーマに広域観光素材をプレゼン。佐賀県では肥前さが幕末維新博覧会(18年3月17日―19年1月14日)において大隈重信など多くの偉人を輩出した弘道館を再現した「リアル弘道館」がおすすめであること、鹿児島県では幕末に活躍した西郷隆盛の生涯を描いた大河ドラマ「西郷どん」放映にあわせて大河ドラマ館を来年1月に開館することなどをPRした。

 続いて、大分県は18年に国東半島で「六郷満山開山1300年祭」がいよいよスタートすることや、7月豪雨の影響で日豊本線に迂回運転している特急「ゆふいんの森」号について「博多駅と由布院駅の所要時間は通常より少しかかりますが、鉄道旅行をのんびり楽しんでください」。

 宮崎県は、酒好きマニア向けのワインやオール宮崎のクラフトビール、日南市の焼酎酒蔵巡りに加えて、世界農業遺産の高千穂郷など県の食について「畜産王国で日本一の宮崎牛をはじめ地鶏や豚も一級品です。ぜひ自慢のお肉を取り入れた商品造成をお願いします」とアピールした。

 福岡県は、今年登録された世界文化遺産の「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群をはじめ、縁結びスポットでおすすめの宝満宮竈門神社(太宰府市)や門司港や小倉といった北九州エリアなどを紹介。集中豪雨については「被害のあった地域は限られており、朝倉の三連水車も災害20日後には稼働を再開しています。福岡県への観光には何ら問題ありません」と強調した。

 長崎県は長崎・平戸・島原の遺産巡りでタクシー乗務員が観光案内をするフリープランのほか、18年に世界文化遺産登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に関連し金土日に長崎―天草間を1日1往復運航している高速船を伝えた。バスを回送する際には「そのまま走らせるのではなくフェリーに載せることもできます。料金交渉も対応します」などと呼びかけた。

 熊本県は、昨年の熊本地震で崩落した阿蘇地域の長陽大橋が8月に開通したことや、熊本城の補修工事が進み観覧エリアが拡大したことを伝え、担当者は「19年に熊本DC開催が決まり素材の磨き上げや着地型商品の作りこみに一層取り組んでまいります」と、観光復興を一層推進する意気込みを示した。

 九州観光推進機構は05年に発足し、観光を基幹産業にすることを目標に掲げている。23年には九州での年間の観光消費額を4兆円まで引き上げたいとしている。


情報提供:トラベルニュース社