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EXPOで6回目の業界研究セミナー、求める人材の要素は「積極性」

  • 2017年10月1日

旅行業界研究セミナーの様子 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、ツーリズムEXPOジャパンの会場で「旅行業界研究セミナー」を開催した。同セミナーは旅行業界と学生のマッチングを目的としたもので、観光業をめざす大学生および観光系学部・学科の教職員が対象。今年で6回目の開催で、すでに1000名以上が受講しているという。

 セミナーで司会を務めたJATA広報室長の矢嶋敏朗氏は、近年はIT技術が進化し業務の機械化が進んでいるものの、「日本の旅行会社は1つの文化。日本の旅行会社というモデルはこれからも変わらないと思う」と述べ、「ぜひご縁があれば、この産業に来てほしい」とコメント。その上で「各旅行会社によって雰囲気が異なる。フィーリングだけで入社してしまうとミスマッチが起きてしまうので、きちんと自分の合うところを探して入ってほしい」と呼びかけた。

 今年のセミナーでは、昨年と同様に沖縄ツーリスト代表取締役会長の東良和氏や、英国サリー大学文学部・人文学部学部長兼和歌山大学特別主幹教授のグレアム・ミラー氏、JATA矢嶋氏による講演を実施。また、現役の若手旅行会社社員によるパネルディスカッションや、初となる旅行会社人事担当者によるトークセッションを開催した。

人事担当者のトークセッション 人事担当者のトークセッションには、ジェイティービー(JTB)グループ本社人事部人事チーム求人担当の大田仁美氏と、エヌオーイー(NOE)管理本部人事・総務部課長の三井伸介氏、東武トップツアーズ執行役員人事総務部長の城戸尚志氏が登壇。各社の採用フローや印象深い学生などについて紹介した。

 採用フローについてJTBグループの大田氏と東武トップツアーズの城戸氏は、今年は日本経済団体連合会の指針に基づき3月から募集を始め、4月に応募受付を開始したことを紹介。面接などの選考活動は6月1日から実施したという。ただし、JTBの大田氏は「当社は2018年4月に事業再編をおこなう。採用フローはこれまでと変更する可能性があるので気をつけてほしい」と呼びかけた。

 一方、NOEの三井氏は同社では会社説明会、ウェブ試験、グループ面接・ディスカッション、個人面接をおこなっていることを説明。特に会社説明会を重視しているといい、「NOEは学生の皆さんにあまり知られていないので、当社を理解していただくために会社説明会(への参加)を必須としている」という。

 求める人材像については、大田氏が「面接時に、セリフを言うのではなく言葉が詰まってしまってもご自身の言葉で話そうとしてくれる方。そして、旅行会社は物を売る仕事ではないので、お客様のことを考えて自分から提案ができる方」とコメント。城戸氏も「旅行が好きで、自らすすんで行動できる人。そして人間が楽しいと思うことを考えることができるように人間の好きな方」と話し、両社ともに積極性を重視していることを説明した。

 三井氏は「NOEの良いところを1つでも見出してくれて、NOEで働きたいという人を探している」と説明。採用時に見ている点としては「その人の将来に投資するべきかを見ているので、きれいな答えだけではなく困っている表情や悩んでいる表情も大事にしている」と話した。