4年目のEXPO開幕、世界最大級イベントを「異業種巻き込む契機」に
今年で4回目となる国内最大の旅行博覧会「ツーリズムEXPOジャパン2017」が9月21日午前に開幕し、会場の東京ビッグサイトで開会式が開催された。主催者側からは日本観光振興協会会長(日観振)の山口範雄氏と日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏に加えて、今年から主催者に名を連ねる日本政府観光局(JNTO)の理事長の松山良一氏が出席。そのほか来賓として国土交通大臣の石井啓一氏、観光庁長官の田村明比古氏などが臨席し、24日まで続くイベントの成功を祈念した。
主催者を代表して挨拶した山口氏は、今回から日観振・JATA・JNTOの3団体による共催となったことについて述べた上で、「協力して国内・海外・訪日の三位一体で、展示会・商談会・観光フォーラム・顕彰事業・歓迎レセプションを展開する」と説明。また、130の国・地域と47都道府県から出展者が集まり、過去最大の規模でBtoBとBtoCを網羅する「世界を代表する包括的な観光イベント」に成長したことを強調し、出席者には「商談会や情報交換を通じて、異業種をも巻き込むビジネスの契機としていただきたい」と促した。
来賓として祝辞を述べた国土交通大臣の石井啓一氏は、国際連合の17年のテーマである「持続可能な観光国際年」についても言及し、「フォーラムなどのセッションを通じて、海外・国内・訪日旅行について活発に議論し、持続可能な観光の実現に貢献してほしい」と要望。あわせて「我が国がめざす観光先進国の実現は、国際交流拡大や地域活性化を促進し、グローバルな視点においても持続可能な観光に貢献する」とアピールし、「ツーリズムEXPOジャパンにおいて関係者が思いを共有し、発展の一助にできれば」と述べた。
開会式の終了後には、今年で第3回目となる「ジャパン・ツーリズム・アワード」の表彰式を開催。宮城県で東日本大震災の「語り部バス」を運行し続け、大賞を受賞した南三陸ホテル観洋などを表彰した。続く「グローバル観光イベント」では、メキシコとマレーシアの観光大臣が「持続可能な観光」に関する基調講演をおこなったほか(メキシコは代読)、10ヶ国以上の観光行政のトップなどが各国の取り組みについてスピーチする「観光大臣会合」も催した。
21日夜には業界関係者を対象に、これまでの「JAPAN NIGHT」に代わるイベントとして、海外旅行向けと国内・訪日旅行向けのレセプションを別々に開催する予定。今回は例年とは趣向を変え、それぞれの関係者がより深く交流を深めることに重点を置くという。
今回の「ツーリズムEXPOジャパン」には、過去最高となる約1310企業・団体が30小間増の2130小間を出展。BtoB向けには「創ろう。ツーリズムの『新しいカタチ』」、BtoC向けには「見つけよう。旅の『新しいカタチ』」と異なるテーマを掲げ、東京ビッグサイト東展示棟の全8ホールを借り切り、特に商談会などBtoB関連のプログラムを拡充した。来場者数は、過去最高となった昨年の18万5844人と同規模をめざす。なお、21日から23日にかけてはJNTOが、同会場で「VISIT JAPANトラベル&MICEマート(VJTM)」を開催する。