ツーリズム・アワード、第3回大賞は南三陸のホテル-優秀70点発表
日本観光振興協会(日観振)、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)はこのほど、今年で3回目となる「ジャパン・ツーリズム・アワード」の大賞と各賞計70点を決定した。国内外の企業や団体などの持続可能で優れた取り組みを表彰するもので、大賞は宮城県で阿部長商店が運営する南三陸ホテル観洋「『震災を風化させないための語り部バス』による地域交流活性化の取り組み」が受賞した。9月21日に開催する「ツーリズムEXPOジャパン2017」の開会式で表彰する。
ツーリズムEXPOジャパン推進室によれば、南三陸ホテル観洋は、2011年の東日本大震災直後から宿泊施設を被災者に提供するなど、被災地の復興に注力。現在は震災の体験を伝える「語り部バス」を運行するなど、震災の記憶を風化させないための取り組みに努めていることを評価したという。同ホテルの女将を務める阿部憲子さんは受賞にあたり、「震災復興だけでなく、観光振興、地方創生につなげていくため、大賞受賞の栄誉を胸に地域の発展に一層努めて参ります」とコメントしている。
今回の「ジャパン・ツーリズム・アワード」は昨年と同様に、「海外領域」「国内・訪日領域」の2つの領域と、「UNWTO(国連世界観光機関)部門」で構成。2つの領域についてはそれぞれ「ビジネス部門」「地域部門」「メディア部門」の3部門を設けた。海外領域の領域優秀賞にはJTBワールドバケーションズの「ハワイにおける顧客利便性の圧倒的拡大を目的とした『'OLI'OLI』ブランドの確立とマーケットニーズに正対した独自のインフラ・サービスの継続的開発」を、国内・訪日領域領域優秀賞には徳島県の大歩危・祖谷いってみる会による「秘境山間地のインバウンドへの取り組み」など3点を選出。UNWTO部門賞は全国産業観光推進協議会の「『産業』が『観光』になる~全国産業観光推進協議会の取組み~」が受賞した。
応募は3月1日から6月9日まで受け付けたところ、件数は前回の158件から81件増の239件と大幅に増加。内訳は、海外領域が12件増の48件、国内・訪日領域が71件増の187件、UNWTO部門は2件減の4件だった。最も応募件数が多かったのは、国内・訪日領域の「地域部門」で79件。ツーリズムEXPOジャパン推進室によれば、今年は多くのICT関連企業からも応募があったという。各賞の受賞結果の詳細は以下の通り。
▽第3回「ジャパン・ツーリズム・アワード」、受賞結果
(団体名/取組内容)
<大賞> 1点
・阿部長商店 南三陸ホテル観洋/「『震災を風化させないための語り部バス』による地域交流活性化の取り組み」
(国内・訪日領域 ビジネス部門)
<海外領域> 13点
●領域優秀賞(1点)
・JTBワールドバケーションズ/「ハワイにおける顧客利便性の圧倒的拡大を目的とした『'OLI'OLI』ブランドの確立とマーケットニーズに正対した独自のインフラ・サービスの継続的開発」
●審査委員会特別賞(1点)
・日本放送協会/「BSプレミアム『世界ふれあい街歩き』」
●ビジネス部門 部門賞(6点)
・アサヒトラベルインターナショナル/「50年にわたる教育旅行に特化したマーケットの拡大」
・エイチ・アイ・エス ユニバーサルツーリズムデスク/「看護師の実務経験が豊富なスタッフが同行する!初めてのパリ6日間」
・関西エアポート/「関空旅博」
・ジェイティービー/「業界唯一の全国店舗対応!JTBの海外透析ツアー及び、透析予約サービスの取組み」
・プリンセス・クルーズジャパンオフィス、カーニバル・ジャパン/「日本におけるクルーズ人口の拡大と外国客船による日本拠点での定期運行クルーズ旅行の定着」
・フランス観光開発機構/「ランデヴー・アン・フランス」
●ビジネス部門 奨励賞(1点)
・ナビタイムジャパン/「海外向け無料乗換案内サービス『NAVITIME Transit』の開発・提供」
●地域部門 部門賞(3点)
・エストニア政府観光局、ラトビア投資開発公社、リトアニア政府観光局/「バルト三国間における共同ツーリズム・プロモーション」
・ケニア共和国大使館、ケニア政府観光局/「ケニア認知度向上プロジェクト」
・MEXICO TOURISM BOARD/「Addressing a New Market: “Diversification of Regional Tourist Destinations and creation of New Products for the new generations”」
●地域部門 奨励賞(1点)
・Kaunas IN/「Sugihara route」
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