HIS、訪日医療ツーリズムに着手、まずは血液検査から
エイチ・アイ・エス(HIS)は7月24日、訪日外国人旅行者向けに、自身による微量の採血でがんや生活習慣病などの有無を検査できるサービスを紹介するウェブサイトを開設した。提携する医療関連企業のメディカルフューチャーが今春に都内でオープンした日本初の自己採血施設「銀座血液検査ラボ」の予約を受け付け、HISは送客数に応じて紹介料を得る。2017年度の送客目標として1000人を掲げる。
同サービスは専用キットで自分の指先から血液を1滴採取するもので、料金はガン検査が男性・女性ともに税抜1万8000円、生活習慣病検査とB型・C型肝炎検査はともに8000円。採取した血液は専門機関で分析し、3日後を目途に電子メールなどで通知する。身体への負担が少なく、比較的安価であることなどから「ファストメディカル」と銘打ってアピールする。
HISはこれまで、医療関連の海外視察ツアーなどを催行したことはあるが、訪日外国人旅行者向けの医療ツーリズムに取り組むのは初めて。「銀座血液検査ラボ」については、これまでは同社の訪日ツアーの添乗員が参加者に紹介することなどはあったものの、本格的な送客に向け、今回のウェブサイト開設に至ったという。
ウェブサイトは日本語、英語、中国語簡体字によるもので、今後はさらなる多言語化を進める考え。HISの海外支店や国内外グループ会社なども活用して送客を強化する。そのほか、HISは同サービスの公式販売代理店として、国内外の企業や自治体などにも利用を呼びかける。
HISは今回の取り組みを糸口に、将来的には本格的な検診を組み込んだ訪日客向けの医療ツアーなども実施したい考え。旅行会社が医療滞在ビザの「身元保証機関」として登録するためには、国内医療機関との提携があること、業務に必要な言語能力を有する職員を配置できること、外国人患者などの国内医療機関への受け入れについて一定の実績があることなどの要件を満たす必要がある。