ニュージーランド、16年の10万人は若年層が牽引、17年は11万人を目標
ニュージーランド政府観光局(TNZ)とニュージーランド航空(NZ)はこのほど、東京で旅行業界向けセミナーを共催した。冒頭の挨拶に立ったJATA海外旅行推進部部長の權田昌一氏は、日本からの出国者数とJATA会員の海外旅行取扱人数の伸びが一致していないことが懸念材料とし、「旅行会社を利用しなければいけないでデスティネーションに、いかに真剣に取り組んでお客様をご案内するかが大切」と述べ、「セミナーで得た情報やネットワークを利用してマーケットにどんどん訴求してほしい」と呼びかけた。
TNZ日本局長の猪膝直樹氏は本誌の取材に答え、昨年に2008年以来の日本人訪問者数10万人突破を達成したことについて、「従来のボリュームゾーンである熟年層と、新たに若年層の2つのセグメントへの働きかけが成功した」とし、2017年は前年比10%増の11万人を目標に掲げた。
セミナーではTNZの日本・韓国地区マーケティング部長の矢島節子氏より、TNZが消費者を対象に実施した独自調査の結果を紹介。ニュージーランドで評価が高いのは「清潔」「お手頃なアクティビティがある」こと、逆に「簡単に国内移動ができる」ことの認知が低い結果が出ており、今後伝えていくべき項目とした。
さらに、TNZのウェブサイトのトップページから次にどのページに行くか調べたところ、都市名を検索する一方で、「おすすめモデルコース」のページの閲覧も多く、「ニュージーランドのどこに行って、何をしたらいいかわからない方も多い。これは旅行会社からのおすすめを受けたいと思っている消費者が多いとも言えるのでは」と分析。
また、市場開発担当の飯島良介氏より、6月に改定したニュージーランドスペシャリストについて案内。従来のプログラムではスペシャリスト獲得までのハードルが高いとの意見があったことから、ステータスをブロンズ、シルバー、ゴールドの3つに分割。例えばブロンズはTNZウェブサイトからオンライントレーニングで10コース以上を受講することが条件となった。今年末までに100名を目標にしている。
NZからは旅客営業部長の樫村隆博氏が7月21日からの羽田の新規路線について案内し、関空線と合わせて火曜日以外は日本からはダブルデイリーとなることを強調。また、羽田線は下期よりオークランドから羽田への到着が朝の5時55分に変更となることで国内線への同日乗継が可能となることも伝えた。
さらにエコノミー3席がフルフラットで利用できるスカイカウチもアピール。よくある質問として、3席を2名で利用する場合には2名分の運賃に追加料金で購入できることを紹介した。
このほか、2014年より大使館内で活動を開始している独立行政法人エデュケーション・ニュージーランドの北岡美佐子氏は、ニュージーランドの留学制度を説明。2016年には前年比10%増の約1万人の日本人留学生がニュージーランドを訪れており、教育水準や安全の確保などに関する規定を設けていることなどを紹介した。
なお、今後は広島、福岡、札幌、仙台でもセミナーを開催する予定だ。