田村長官、観光庁の体制強化に期待-「室」が急増

  • 2017年7月20日

田村氏  観光庁長官の田村明比古氏は7月19日に開催した業界紙向けの定例会見で、今月の人事異動に伴う増員や組織改編について説明し、「(ここまでの規模で)観光庁の体制が強化されることは稀なので、組織全体で施策を進めていきたい」と意欲を示した。田村氏自身は長官留任が決定している。

 観光庁は4月以降、関係省庁や地方自治体、企業などの協力のもと人員を増やしており、現在の人員数は4月から約100名増となる約280名。増員のうち50名が民間からの登用で、田村氏は「さまざまなバックグラウンドのある人材が加わった」と喜びを示すとともに、「若い人にも加わってもらっているので、考えを今後の取り組みに反映していきたい」と話した。

 組織変更では、各課に設けた「室」を5室増の12室に増加。田村氏は国際観光課の「外客誘致室」を「アジア市場推進室」に変更したこと、加えて「欧米豪市場推進室」「新市場開発室」「総合計画室」を設けたことを説明するとともに「それぞれの『室』と日本政府観光局(JNTO)が一体的に誘客を推進する」と語った。このほか、観光地域振興課には「広域連携推進室」を、観光資源課には「新コンテンツ開発推進室」などを新設したという。

 田村氏はそのほか、このほど福岡県で、民泊サービスの提供者が韓国人旅行者に性的暴行を加えた容疑で逮捕されたことについて言及。「どこで誰が民泊サービスを提供しているかわからない状況では、色々な問題が起きている」と述べた上で、「民泊新法はそうした事件に対応するためのもの」と強調し、速やかな施行を求める考えを示した。