フランス、18年日本人は「14年並に」、17年も回復へ

  • 2017年7月6日

マゼンク氏  フランス観光開発機構在日代表のフレデリック・マゼンク氏は先ごろ、都内で旅行会社とメディア向けに開催したワークショップ「SAKIDORI FRANCE 2017」の会場で業界誌の取材に応え、18年の日本人旅行者数の目標として、14年並みの約75万人を掲げた。今年はターゲットとする各セグメントに向け、多様なテーマで小規模なプロモーションを展開するとともに、交通広告を使った大規模なプロモーションも実施する。

 マゼンク氏によれば、15年の日本人旅行者数は前年比9.3%減の約68万5000人で、16年も15年を下回る見通し。ただし「16年もテロ事件の影響などにより需要が低迷したが、年末からは落ち込みが徐々に回復してきた」といい、17年については卒業旅行や修学旅行などが徐々に増え、11月までの航空券の予約状況は4%増と増加傾向にあるという。旅行会社によっては取扱人数が前年の2倍となるケースもあることから、同氏は「17年は15年レベルにまで戻るのでは」との見方を示した。

「SAKIDORI FRANCE 2017」には昨年より11団体多い34団体が参加。旅行会社などから計230人のバイヤーが参加した  今年のプロモーションについては「以前よりも、旅行者からのニッチなニーズが増えているので、細かなテーマにまで焦点を当てる」考え。シニアや若者、女性、ハネムーナー、富裕層などに対し、料理やサイクリング、季節ごとの祭りやイベントなど、多様なテーマを訴求する。マゼンク氏は、そのなかでも特に祭りやイベントを目的とする旅行のキャンセル率が低いことなどから「その時期にしか体験できないことをアピールしたい」と語った。

 一方で、不特定多数にフランス全土を幅広くアピールする取り組みも継続。今後もバス停や地下鉄の駅などに交通広告を掲出して、「フランスが観光地であり続けることを忘れられないようにアピールする」という。旅行会社に対しては、インセンティブを中心にMICEの提案を強化。法人旅行を取り扱う旅行会社向けのセミナーを年に2、3回開催するという。