タイ航空当局、LCC2社のICAO安全基準を再認定
ノックスクート(XW)とタイ・エアアジアX(XJ)はこのほどタイ民間航空局(CAAT)から、ICAO(国際民間航空機関)の国際安全基準を満たしたとして航空運航者証明書(AOC)の再認定を受けた。タイの航空会社37社のうち、これまでにはバンコクエアウェイズ(PG)、タイ・エアアジア(FD)、タイ国際航空(TG)が再認定を受けており、これらの5社でタイの国際線の約77%を運航している。
タイについては現在、ICAOがCAATに対して「重大な安全上の懸念(SSC)」を表明しており、これを受けて日本や米国などはタイ国籍の航空会社に対し新規就航の認可を中断するなどの規制を設けている。CAATはSSCの解除に向けて、航空会社の安全基準に関する審査を進めるなどの取り組みを進めており、今後は6月末までに、ICAOに対して規制解除に向けた審査を正式に要請する考えだ。
再認定にあたりXWのCEOを務めるピヤ・ヨドマニ氏は、同社がタイの航空会社の安全基準の向上や、タイの航空業界のイメージ回復に努めてきたことについて述べた上で「今後も低価格で良いサービスを提供していく」とコメント。XJのCEOのナダ・ブラナシリ氏も、SSCの解除に向けた取り組みをサポートし続ける考えを示した。
国土交通省航空局は現在、タイ国籍の航空会社の新規就航の認可を中止するとともに、すでに就航している航空会社の増便やチャーターについては、安全性を確認した上で、就航実績がある路線と機材で運航する場合に限り認可している。同局は今回の再認定については「状況が変わったわけではない」と話し、引き続き規制を設ける方針を示した。