民泊新法が成立、1年以内に施行、ガイドラインなど制定へ
参議院は6月9日に開催した本会議で「住宅宿泊事業法案」(民泊新法)を可決・成立した。数日のうちに公布し、公布日から1年以内に施行する見通しで、観光庁の担当者は本誌の取材に対し「区切りの良い4月から施行する可能性も考えられるが、いずれにせよ一定の準備期間が必要」と見通しを説明した。同庁は今後、関連する政令や省令、ガイドラインを策定するとともに、新法で「年間180日以内」と定める年間営業日数を一元的に管理するシステムも構築する。
今回の民泊新法の成立に際し、仲介業者にあたるAirbnb Japan、百戦錬磨、HomeAwayはそれぞれコメントを発表。Airbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏は「大変嬉しく思う。我々のホストや、これからホストになりたいと考えている方々にとっても素晴らしいニュース」と述べた上で、「住宅宿泊事業が日本全国に広まれば、中長期的にも多岐にわたる便益を生み出すきっかけになる。持続可能な形で普及するよう、引き続き関係者と協働していきたい」と述べた。
百戦錬磨代表取締役社長の上山康博氏は、「違法民泊の撲滅と新たな公認民泊市場の形成が、安全安心な民泊施設提供のための急務となっているなか、念願の新法が成立し喜びを感じる。利用者だけでなく近隣住民の方々とも共存できる健全・公正な民泊サービスの普及が進むことを確信している」とコメント。加えて「今後は都心部だけでなく、農村漁村地域での滞在型旅行の拠点となる『農泊』施設の開発・提供などを通じ、地方創生に向けた新たなビジネスモデルの構築を進めたい」とした。
HomeAwayも新法成立を歓迎。「民泊が新しい宿泊カテゴリーであることから、一定のルールや規制を設けて健全な普及を図ろうとする政府の方針を理解している。引き続き、旅行者や宿泊事業者、地域にとって利益となる、公正で適切なルールの構築・運用がなされていくことを期待する」とコメントした。