インドネシア・エアアジアX、成田/バリ線就航、日本発初便は9割
インドネシア・エアアジアX(XT)は5月25日、週4便で成田/デンパサール線を開設した。同社が日本に就航するのは今回が初めてで、機材はビジネスクラス12席、エコノミークラス365席のエアバスA330-300型機。初便の搭乗者数は成田発便が大人346人と幼児2人で、搭乗率は91.8%となり、乗客の9割は日本人だった。デンパサール発は大人141人で搭乗率は37.4%。乗客の約半数がオーストラリア人だったという。
同日に成田国際空港で開催した就航記念式典で、同社CEOのスリスティオ・ヌグロホ・ハヌング氏は同路線の日本人の需要の高さに喜びを示すとともに、多くの日本人からの反響があったことから、6月18日からデイリー化を決定したことを紹介。「増便により、多くの日本人にバリや、バリ以遠の魅力的な島々に訪れていただきたい」と話した。
同氏は本誌の取材に応え、まずは日本人のバリへの需要の取り込みに注力する方針を説明。搭乗率は平均で70%をめざす考えで、「日本人のバリへの旅行需要は高く、増便後も座席は埋めることができる」と自信を示した。
将来的にはXTのネットワークを利用し、デンパサール経由でジャカルタ、バンドンやジョクジャカルタなどへの乗継需要の取り込みもめざす考え。ハヌング氏は「インドネシアには日本人の知らない魅力的な場所が数多くある」と語り、旅行者の動向を見ながら、バリ以外のデスティネーションもアピールしていく考えを語った。このほか、デイリー化後の計画については、「まずは乗客の反応を見て、需要があれば増便や(羽田を含む)日本の空港への就航を検討していく」と語るにとどめた。
加えて、ハヌング氏は旅行会社経由の販売にも期待を示した。現在は予約の約6割が公式ウェブサイト経由の直販で、約4割がジェイティービー(JTB)やエイチ・アイ・エス(HIS)などの旅行会社経由。同氏は「今後は旅行会社と、乗客を増やすために一緒に何ができるのかを考えていきたい」と話した。XTによれば、インドネシア共和国観光省などと協力し、旅行会社向けのファムツアーの実施も検討しているという。
同省によると、2016年にインドネシアを訪問した日本人は前年比2.9%減の51万3000人で、このうちバリ島を訪問した日本人は1.8%増の23万3387人。式典に参加した同省ビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所代表の成田忠彦氏は、本誌の取材に対し、XTの就航で提供座席数が増加することを歓迎する姿勢を示すとともに、「LCCが就航することで、バリに気軽に旅行できるようになる。リピーター化にも繋がるのでは」と期待を述べた。
XTは成田線の就航を記念し、5月25日の1日限定で特別運賃を設定。日本発デンパサール行きの片道航空券を、100席限定で税別1万円で販売する。対象搭乗期間は6月1日から7月31日まで。
なお、ジャカルタ首都特別州東ジャカルタ市では5月24日夜、バスターミナルで爆発が発生。現地警察は自爆テロと見て捜査しており、外務省は25日付で注意喚起を呼びかけるスポット情報を発出している。XTによれば、25日17時時点では、消費者からの問い合わせなどはなく、状況を注視しているところという。
※25日19時30分に最終パラグラフを加筆しております