HIS、ミキを子会社化、持株7割超に-中立性は維持
エイチ・アイ・エス(HIS)は4月28日の取締役会で、ミキ・ツーリストの持株会社であるグループミキホールディングス(ミキグループ)の株式を追加取得して連結子会社化することを決議した。HISは2012年にミキグループ(当時の社名はGM Communications)の株式を32.7%取得した後、2016年7月の時点でその比率を46.67%まで高めるとともに子会社化の検討を開始していた。
ミキグループは、ミキ・ツーリストなど29社の持株会社で、資本金は11万6000ユーロ(約1400万円)。今回の決定では、2600万ユーロ(約31億4000万円)で株式を追加取得して持株比率を70.3%に引き上げ、連結子会社化することが決まった。契約の締結と株式譲渡の実行日は5月上旬の予定。株式取得の相手先は非公開としている。
連結子会社化のねらいについてHISは、ミキグループとの検討のなかで、国際交流の需要が増える一方で旅行の販売形態が大きく変化しているなかで、多様な市場それぞれに確固とした地歩を築くとともに、送客ボリュームを確保することで安定した実現をすることが、環境変化への適応策として急務と判断されたと説明。
そして、ミキグループが日本発欧州などにおいて受入体制を確立している一方、HISがアジアを中心に海外での旅行販売を強化しているほか、オンライン販売にも注力しているなかで、HISがミキグループを連結子会社化することが提携関係の深化に資するとの結論にいたったという。子会社化によって、アジアとオンラインの領域においてBtoC、BtoBの両面で協業を推進し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をはかるという。
なお、ミキグループはHIS以外の旅行会社とも取引のあるツアーオペレーターだが、HISでは、既存顧客の信頼に応えるため子会社化の後もHISとは分離した組織体制を維持し、情報管理を徹底して中立なオペレーターの立場を継続すると説明している。