ANA総研と阿蘇市が連携協定、内牧温泉でウォーキングイベント

  • 2017年4月24日

(中央左から)岡田氏、佐藤氏  ANA総合研究所(ANA総研)と熊本県阿蘇市は4月21日、地域活性化のための包括連携協定を締結した。期間は3年間で、阿蘇市の観光資源を活用した観光振興、地域情報の発信、阿蘇市のブランド力の強化などに取り組む。まずは5月20日に内牧温泉で、食と温泉をテーマにしたウォーキングイベント「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」を開催する。ANA総研と地方自治体との連携協定は今回で14件目。

 4月21日に開催した調印式とウォーキングイベントの発表会でANA総研代表取締役社長の岡田晃氏は、2011年から3年間、阿蘇市に社員を派遣して地域活性化に向けたコンサルティングなどをおこなったこと、その後も同市との交流を続けてきたことを説明。「協定の締結により、阿蘇市が震災から復興して発展するように、阿蘇市から日本全体が元気になるように、ANAグループのリソースすべてを使って取り組みたい」と意欲を示した。

 阿蘇市長の佐藤義興氏は連携協定の締結とイベントの開催に謝意を示すとともに、「内牧温泉は修学旅行や社員旅行で多くの旅行者が訪れる、阿蘇観光を代表するスポット」と強調。昨年4月の九州地震については、温泉が出なくなる施設もあったものの、国の支援による再掘削などで復旧が進んだ旨を説明し「お客様を迎える準備は整っている」と強調した。

発表会終了後の記念撮影 「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」は、ANA総研がぐるなびと立ち上げた「ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構」が主催するもので、5月27日には熊本県天草市の下田温泉でも開催を予定している。同機構理事長の見並陽一氏は「復興支援イベントとして素晴らしいものを作り上げることができた」と喜びを示し、協賛する全日空(NH)代表取締役社長の平子裕志氏も、「イベントが阿蘇と天草の魅力を日本や世界の人々に知ってもらう機会になれば嬉しい」と語った。

 内牧温泉でのイベントは、全長8キロメートルのルートを歩くもので、参加者は途中にある「ガストロノミーポイント」で、地鶏の「阿蘇大王」やブランド牛の「あか牛」、郷土料理の「だご汁」などを楽しむことができるほか、終了後は市内の温泉施設19軒のいずれかで入浴することができる。定員は300名で、そのうち100名は県外からの参加を見込む。当日はNHがバスを2台チャーターし、福岡市の天神と内牧温泉の間を運行するという。

 参加費は2000円で、諸経費を除いた全額を阿蘇神社の再建に向けた寄付に充てる。申し込みの受付は、アマチュアスポーツ支援などをおこなうアプロードが運営するイベント予約サイト「スポーツエントリー」ですでに開始している。なお、同機構は今後、九州以外では秋田県大館市の大館温泉郷、新潟市の岩室温泉など約20の温泉地で同様のイベントを開催する計画だ。