スイス、今年は観光局100周年、自然や鉄道などアピール
スイス政府観光局はこのほどメディア向けのセミナーを開催し、2017年のプロモーション方針について発表した。冒頭で挨拶した日本支局長のファビアン・クレール氏は「今年は我々の創立100周年を迎える大事な年」と述べた上で、各種の記念イベントを予定していることを説明。そのほか、今夏の旅のテーマとしては「バック・トゥ・ネイチャー」を掲げ、日本人が好む鉄道旅行などを軸に、自然のなかでリラックスできる旅行を訴求する考えを示した。
現地の最新情報などに関するプレゼンテーションをおこなったメディアマネージャーの押尾雅代氏は、創立100周年記念の写真展や観光ポスター展などをすでに開催していることを紹介。鉄道については、登山鉄道のピラトゥス鉄道が今年から国内鉄道の乗り放題パス「スイストラベルパス」の対象路線となったこと、昨年12月に同国最大の私鉄のレーティッシュ鉄道が、写真撮影に適した窓の大きい特別車両を含む新列車「アルヴラ」の運行を開始したことなどをアピールした。
そのほかには、インターラーケンで12年に1度開催される同国最大の民族祭「ウンシュプンネン・フェスティバル」が、8月から9月にかけて予定されていることなどを強調。毎年定めている都市観光のテーマについては、今年は「アートを楽しむ旅」とし、バーゼル近郊のバイエラー財団の美術館で1月から5月まで「クロード・モネ展」が開催されていることなどを伝えた。
15年にスイスフラン高を機に販売を開始したクーポン集「スイスクーポンパス」については、今年も引き続き販売することを説明。11都市のレストランや観光施設などで、1人分の料金で2人分のサービスが受けられるもので、さらなる市場への浸透をはかりたいという。そのほか、日本市場では4月から6月までの3ヶ月間、ウェブサイト上で「スイス春旅キャンペーン」を実施し、クイズの正解者にペア旅行などを贈呈する。
▽16年の日本人宿泊数は8.5%減、今年は前年比増へ
同観光局によれば、昨年の日本人の延べ宿泊数は、欧州の隣国などでテロ事件が相次いだことなどから、前年比8.5%減の36万1053泊に減少。全世界からの旅行者については0.3%減の3553万2576泊だったことと比べると減少幅は大きかったが、押尾氏によれば11月以降は回復傾向が見られることもあり「想定ほど悪くはなかった」という。今年については「16年からの増加」を目標に掲げる。