TCSA、17年度は「訪日業務検定」に注力-イベント開催も
日本添乗サービス協会(TCSA)は3月22日、2017年度の通常総会を開催し、16年度の活動報告と17年度の活動計画を承認した。17年度の活動については、これまで2年間に渡り制度の構築に取り組んできた、訪日旅行人材育成のための「インバウンド業務検定(仮)」の国家検定化を最重要視する考え。役員改選により新会長に就任した前専務理事の三橋滋子氏は、総会終了後の会見で「真っ先に取り組みたい」と意欲を示した。
同検定についてTCSAは、政府の「業界検定スタートアップ支援事業」を活用し、15年度から制度の構築に取り組んできたところ。昨年度はテキストと試験問題を作成したほか、試行試験を8回実施した。今年度は国家検定化に向けて、早ければ5月から6月頃を目処に厚生労働省に申請をおこない、18年度内の運用開始をめざすという。
17年度の新たな事業としては、年度内に添乗業務の魅力のアピールや優秀な人材の確保に向けて、現役添乗員と学生が交流するためのイベント「ツアコンカフェ」を開催する予定。また、添乗員が抱える諸課題を吸い上げ、協会の事業に反映させるためのワークショップ型の交流会も実施するという。これらの取り組みは昨年に1回ずつ試行しており、今年度は内容を充実させた上で、それぞれ複数回開催する考えだ。
三橋氏はそのほか、2月に日本旅行業協会(JATA)が立ち上げたアウトバウンド促進協議会の一員として、特に欧州旅行の促進に努める考えを説明。「添乗員が同行するツアーの安心・安全のメリットと、企画旅行の優れた点を大いにアピールしたい」と意欲を示した。