HIS、台湾のホテルを子会社化、「変なホテル」海外進出へ
エイチ・アイ・エス(HIS)は3月21日、完全子会社で同社グループのホテル事業を担うHISホテルホールディングス(HHH)が、台湾のグリーンワールドホテルズ(GWH)を子会社化することを発表した。GWHが実施する第三者割当増資の引受先となり、20億円程度を投じて約2900万株を買い足して持株比率を33.32%から51.0%に引き上げる。GWHは台湾でホテル16軒を保有しており、このうち1軒は年内を目途に、ロボットがスタッフとして働く「変なホテル」に転換するという。
HISはGWHの子会社化を機に、ホテル事業の中国語圏への進出をはかる考え。今後は台湾に限らず、上海など中国への進出もめざすという。「変なホテル」を含む、国内外のホテル運営で培ったノウハウをGWHに取り入れて収益拡大をめざすとともに、HISが送客する日本人旅行者などの宿泊先としても活用する。
GWHは1994年に設立。HISによれば近年は展開を拡大しており、14年12月期の連結売上高は4474万2000台湾ドル、15年は3億2006万3000台湾ドル、16年は7億6370万8000台湾ドルと急増しているが、15年以降の利益は借入金の返済や修繕費などにより赤字に転じている。
HHHは今月15日に、HISグループのホテルとしては13軒目となる「変なホテル」の2号店を千葉県浦安市で開業。同グループは今後も軒数を拡大し、21年中には100軒にまで拡大するとしている。なお、HISは今回の株式取得が17年10月期連結業績に与える影響については、現時点では軽微との見方をしている。