日本旅行、16年は「一定の利益」確保-17年は設備投資へ
日本旅行の2016年12月期(16年1月1日~12月31日)の連結業績で、営業収益(純額)は前年比0.2%増の529億7200万円だった。営業利益は1.3%増の13億9200万円、経常利益は11.8%減の20億1800万円、当期純利益は10.5%増の11億3900万円。経常利益は為替差損により減少したが、当期純利益は税金などの減少により2桁増となった。
日本旅行単体では、販売高(総額)は1.2%減の4119億6800万円、営業収益(純額)は0.4%増の454億5200万円、営業利益は64.0%増の6億9600万円、経常利益は2.5%増の11億2600万円、当期純利益は24.6%増の4億400万円。営業利益はコスト削減策などにより営業費用が1億600万円減少したことで6割増となった。
同社によれば、16年は欧州のテロ事件の影響で海外の企画商品が大幅に減少。一方、中期経営計画の中核分野に据えた教育旅行やMICE、BTM、訪日旅行、インターネット販売への取り組みや、業務効率化などにより、「一定の利益は確保できた」という。
海外旅行の販売高は8.9%減の1125億9100万円、営業収益は12.9%減の95億4900万円。企画旅行は欧州のテロ事件を受け、代わりにアジアや米国などを強化したものの、販売高は20.0%減の354億6100万円となった。団体旅行はハワイや米国への送客などに取り組んだ結果、販売高は1.8%増の243億9400万円となった。国際航空券などの単品販売はテロ事件の影響で海外出張が減少したことなどから、4.6%減の527億3400万円となった。
国内旅行の販売高は0.4%減の2632億2500万円、営業収益は0.4%減の293億9500万円。企画商品はJRセットプランの販売などを強化したものの、販売高は1.2%減の1043億3700万円に。団体旅行は教育旅行やMICE、BTMなどに取り組んだ結果、販売高は4.5%増の722億9600万円となった。JR券や国内航空券などの単品販売はインターネットによる直販化の流れの影響を受け、販売高は3.3%減の865億9100万円となった。
国際旅行の販売高は21.7%増の352億600万円、営業収益は27.2%増の49億200万円。中央省庁や地方自治体などへの営業を強化したほか、海外の旅行会社との連携強化などに取り組んだ。
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