豪州、17年は50万人超へ、座席増に期待-日本で商談会開催
オーストラリア政府観光局(TA)は2017年の日本人訪問者数の目標を50万人に設定した。オーストラリア市場は、航空座席の増加や他デスティネーションにおけるテロなどの不安を背景として好調さを維持。16年は前年比22.7%増の41万3800人で着地しており、17年はここからさらに約2割の増加をめざすこととなる。中長期目標は20年の70万人。
2月22日から24日にかけて、TAは小田原で現地サプライヤーと日本側バイヤーの商談の場として「ウォークアバウト・ジャパン」を開催しているところ。本局でも豪州国内で全世界からバイヤーを集める商談会「オーストラリアン・ツーリズム・エクスチェンジ(ATE)」を毎年実施しているが、ウォークアバウトは日本市場に特化。現地サプライヤーが来日するもので、「ジャパン・オーストラリア・ミッション(JAM)」と称していた頃から数えて22回目。今回は2015年9月以来の開催で、サプライヤー34社・団体、バイヤー32社が集まった。
会場内で取材に応じたTA日本局長の中沢祥行・ジョー氏は50万人の目標を掲げ、その上で日本でのBtoBイベント開催について「日本市場にフォーカスし、関係者が一堂に会して直接交流し情報を交換できる、極めて重要な場」と意義を強調。会場を小田原としたことで商談に集中できるメリットもあったといい、今後も参加者のフィードバックも得つつ改善しながら継続していく考えだ。
16年に40万人達成の追い風となり、今後の50万人や70万人に向けた鍵となるのが航空座席だが、50万人が経由便を含めて「ぎりぎり」で足りる規模。中沢氏は、国際航空運送協会(IATA)日本代表を務めた経験も踏まえてキャパシティの増加に取り組んでいきたい考えで、特にパース線の復活は「強い願望がある」という。
これは、豪州側の主要都市でオフラインとなっているのはパース、アデレード、ダーウィンの3都市だが、パースは法人需要が旺盛で空港もカーフュー(離着陸時間の制限)がなく就航しやすい点などから「一番妥当」との考えによるもの。また、経由便も利便性の特に高いキャセイパシフィック航空(CX)とシンガポール航空(SQ)を中心として積極的に利用を促進する方針で、キャンペーンも複数計画中だ。
このほか、目標達成に向けては引き続き消費者と旅行業界の双方に向けて活動を展開。覚書(MOU)を締結した日本旅行業協会(JATA)や日本政府観光局(JNTO)との協力関係も積極的に活用する。